地域子育て支援拠点「どろっぷ」(横浜市港北区大倉山3、運営=NPO法人びーのびーの)は、港北区こども家庭支援課と岩崎学園情報科学専門学校(神奈川区鶴屋町2)とともに、約2年がかりで区内の子育て情報を配信するアプリを開発した。
2月末に行われた自治体オープンデータなどを活用した社会課題解決のためのアイデアや優れたアプリケーション開発を発表する「アーバンデータチャレンジ2017コンテスト」(主催:社会基盤情報流通推進協議会)では、「コード・フォー・港北(Code for Kohoku)」としてアイデア部門に応募し、みごと金賞を受賞した。
3月3日に、同専門学校8階会議室で「共同開発報告会~ぼくらが作った子育てアプリ」を開催し、地域になじみのない親たちに的確に子育て支援情報を届けるアプリを、多世代で協働しながら創ってきた軌跡を共有する。
子育て支援拠点は横浜市内各区に1カ所ずつ・合計18カ所ある。横浜市がNPO法人などに委託するにあたり「子育てに関する情報の収集及び提供に関すること(情報収集・提供事業) 」を実施することとしているが、施設に来られない子育て世代に対する情報提供は必ずしも十分ではない。市内18拠点のうち、メールマガジンやTwitter・フェイスブックなどで、個別の情報配信をしている拠点は9つにとどまる。
「どろっぷ」は10年以上前から、港北区とその周辺部の子育て支援情報をメールマガジン「ココめ~る」で配信してきた。近年、スマートフォンの普及などでより地域に密着した情報配信が可能になってきたことなどから、位置情報や画像を組み込んだ多機能な「アプリ」による配信に切り替えたいと、2016年から当事者の親たち自身が仕組みを学んだり、ニーズを収集・分析する作業を重ねたりしながらこつこつと開発を進めてきた。
2017年8月には港北区・情報科学専門学校と協定を締結し、区から必要なデータを提供してもらうとともに、子育て経験のない学生たちや、技術による地域の社会課題解決を目指す「Code For Kawasaki」メンバーら、世代も地域もセクターも超えたつながりを生かして「ココアプリ」を完成させた。2018年6月ごろから、メールマガジンからアプリでの情報発信に切り替えていく予定だという。
報告会には、横山日出夫・港北区長も参加。開発に携わったメンバーやモニター参加した母親らが、アプリ開発までの道のりを共有し、子育て世代へのよりよい情報発信の仕組みについて意見交換する。
プロジェクトの中心メンバーで「どろっぷ」事務局の畑中祐美子さんは「エンジニアでない人も、エンジニアの人も、若者もベテランも様々な人たちの力を合わせ、港北区で子育てする人たちの役に立つアプリを完成させることができた。横浜での子育てをハッピーにするために、この経験をより多くの人たちに共有することができたら」と話している。
報告会は14時~15時30分。参加費は無料で、同室見守り保育あり。同日、世界同時に開催される「インターナショナル・オープンデータ・デイ」のイベントとして登録もされている。当日の参加可能。問い合わせは「どろっぷ」(TEL 045-540-7420)まで。