日本大通りの画廊「ギャルリーパリ」(横浜市中区日本大通14)で4月27日から、アフリカン現代アートの魅力を紹介する「ティンガティンガ原画展2018 しあわせのなる木~アート誕生50年&出版記念展~」が開催されている。
タンザニアより来日したヤフィドゥさんは日本大通りでライブペインティングをしている
ティンガティンガ・アートは、1968年にタンザニアで誕生した絵画スタイル。6色のエナメル・ペンキによる豊かな色彩で、サバンナの動物や豊かな自然、人々などを描くアフリカを代表する現代アートとして知られている。
原画展は「幸福とはなにか」をテーマとして、手描きの原画作品を展示するほか、アフリカ直輸入のファッション雑貨やアート作品、コーヒーや紅茶などを販売する「フリカンマーケット」を実施する。
同展は、横浜での開催は9回目で、主催はアフリカ製品の輸入・卸販売を行う「バラカ」(大阪市中央区)。今回は、バラカタンザニア支社長でもある島岡由美子さんが昨年11月に出版したアフリカの民話集「しあわせのなる木」(未来社)の出版記念として開催。挿絵原画展とサイン会も実施する。
島岡さんは1987年にアフリカに移住。タンザニア製品の輸出で、タンザニア経済発展の一翼を担うという主旨の元、アフリカ製品の輸入やプロモートを行っている。新著「幸せのなる木」は、東アフリカ地域の各地で聞き集めた民話20篇を、鮮やかなティンガティンガ・アートの挿絵とともに紹介している。
また、原画展にあわせ、タンザニアよりティンガティンガ・アーティストのヤフィドゥさんが来日し、野外でライブペイントを実施している。大型動物と小さな脇役たちがハーモニーを奏でる作風の絵を得意とする作品は、美しい色合いと繊細なタッチで不思議な動物ワールドを展開する。民話集でも挿絵を提供している。
島岡さんは「ティンガティンガのアートは約200点を展示している。アートと本を通じて、アフリカの理解を深めて頂けたら」と話す。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。5月6日まで。同展は横浜での開催後、名古屋を巡回する。展示会収益金の一部は、ティンガティンガ・アーティストへの画材支援や工房修繕や、東日本大震災・熊本地震被災地への義援金に充てられる。
「バラカ」はアフリカ大陸の人々の雇用機会を増やすため、東アフリカのタンザニアを対象国として、アフリカ製品の輸入を推進している。2005年よりティンガティンガ・アートのプロモーターとして活動し、新人画家を発掘・育成している。