てんかんの患者や仲間たちが制作したアート作品を展示し、患者たちの創造力や日常の生活を知ってもらう展覧会「てんかんをめぐるアート展 in 横浜」が、パシフィコ横浜で開催されている。会期は10月25日から27日まで。
日本映画大学の日本・台湾、中国、韓国の4人の学生が患者たちのドキュメンタリー映像の制作を担当
絵画・版画・写真・書・陶芸作品・革細工・織物など、公募で横浜市内外から集まった365点の作品展示のほか、病をかかえながら制作する彼らの日常の「創造のプロセス」を写真や映像で紹介している。
「てんかんをめぐるアート展」は、てんかん患者の日常の活動をアート活動を通して知ってもらおうと、市内の社会福祉法人関係者や医師、行政職員などが企画。メンバーが手分けしながら作品募集・広報・資金調達などを展開してきた。パシフィコ横浜で開催中の日本てんかん学会の学会の関連企画として催されている。
会場入口に展示されている作品制作の様子を記録した写真を担当したのは、第42回木村伊兵衛写真賞(2017年)を受賞した写真家の原美樹子さん。日本映画大学(川崎市麻生区)に在籍する日本・台湾、中国、韓国の4人の学生が撮影したドキュメンタリー映像も上映されている。
また、てんかん当事者で、てんかんをテーマとしたネット放送「ぽつラジオ」を主宰する映像作家の和島香太郎さんが、記録映像を撮影し、アート展終了後にてんかん患者の創造力や病気について広く知ってもらうための作品を制作している。
27日には、写真家の原さんと作業所の担当者らが登壇するトーク「てんかんをめぐるアート展の取り組みから感じたこと」(10時30分~11時30分)、実行委員会メンバーで、陶芸などのものづくり活動にも力を入れている社会福祉法人ル・プル くるみ会(横浜市栄区)の施設長・榎正晴さんによる「人とつながるものづくり」(11時30分~12時)が行われる。
同アート展実行委員長で、田中神経クリニック(横浜市栄区)院長の田中正樹さんは同展について「作品をつくる姿にもアートがある。みんなのアートは私たちに感動だけでなく、やすらぎをもたらす。らくがきもアート、はなうたもアート、えがおもアート。作者とのすばらしい共感が生まれることを願っている」とコメントしている。
会場はパシフィコ横浜ホワイエ418・419号室。開催時間は25日・26日は10時~19時、最終日の27日は10時~14時。入場無料。