横浜ビー・コルセアーズのチアリーダーズ「B-ROSE」に所属する7歳の佐々木美琴(ささき みこと)さんが、1月23日に横浜国際プールで行われた「神奈川ダービー・横浜vs川崎」の試合でみごとなチアダンスを披露し、会場は拍手と声援に包まれた。
第1Q(クォーター)を24-15で川崎にリードをして終えた横浜。「Mikoto(みこと)いくわよ!」の声にうなずく美琴さん。一斉にコートにチアメンバーが飛び出した。遅れまいと懸命に走り定位置に付く美琴さん。チアメンバから「いくよ」のアイコンタクト。緊張した表情で首を縦に振ると曲が始まった。
そのダンスにアリーナの目が注(そそ)がれた。しっかりと体を動かし、笑顔を見せ、足を上げ、手を振る。振り付けにミスがない。メンバーの動きと合っている。曲の途中にもかかわらず観客席から拍手が起こる。美琴さんの顔には幸せな笑顔があふれていた。
美琴さんは、1歳7か月の頃に小児慢性疾患を発症。手術や入退院を繰り返してきた。昨年6月にも入院し7月に退院し復学。3人兄弟の2番目で踊ったり、歌ったりすることが大好きな小学1年生。
全国に25万人いるといわれている長期療養を必要とする子どもたちの復学支援プロジェクトを推進するNPO法人「Being ALIVE Japan(ビーイング アライブ ジャパン)」(代表=北野華子)の支援で横浜ビー・コルセアーズ・チアリーダーズ「B-ROSE」14番目のメンバーになり数週間に1回程度、定期的にチームを訪問して活動に参加してきた。
踊り終えてチアメンバーとともに退場するも会場の拍手は続いていた。昨年、12月22日に行われた会見で、「B-ROSE」ディレクターの植村綾子さんは、「Mikoto(みこと)は、いろいろな体験に負けていない。私たちは、この経験から多くのことを学びたい」と話していた。
試合は、70-79で川崎に惜敗したが、トーマス・ウィスマンヘッドコーチは、「川崎を相手に選手は良く戦ってくれた。全力で(川崎に)もつれこみ見ごたえのある試合を展開してくれた」と評価。ブースターの1人は、「美琴のおかげ。負けたけど、すがすがしいゲームだった」と笑顔で話した。