「カップヌードルミュージアム(正式名称:安藤百福発明記念館)」(横浜市中区新港2)で1月26日、全国からユニークで創造性に富んだ自然体験活動の企画案を公募し支援する「第17回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」の表彰式が行われた。
同コンテストは、全国の学校や団体から自然体験活動の企画案を公募し立案した50団体に各10万円の実施支援金を贈呈するほか、活動報告書を審査し表彰する。主催は安藤スポーツ・食文化振興財団、後援は文部科学省・横浜市・横浜市教育委員会。
表彰は学校部門と一般部門の2部門。学校部門の最優秀賞「文部科学省大臣賞」には、自然や文化遺産に恵まれた地域の研究、環境学習を実施し、情報誌の発行などを通じて魅力を発信することで町おこしに貢献した太子町立中学校社会科学部(大阪府)の「ドキドキ!ワクワク!特別体験~自然・生物と触れ合い、地域の魅力を発見しよう」、一般部門の最優秀賞「安藤百福賞」には、ハードな北アルプス縦走を通して子どもたちに体験からの学びを提供した社会福祉法人「扶助者聖母会星美ホーム」(東京都)の「星美ホーム百名山~海抜0mからの挑戦~」が選ばれた。また、「優秀賞」学校部門は出雲市立須佐小学校(島根県)の「魅力いっぱい須佐の郷探訪」、一般部門は「寺子屋つばさ100㎞徒歩の旅実行委員会」(新潟県)の「第11回寺子屋つばさ100㎞徒歩の旅」が受賞した。
最優秀賞に選ばれた2団体にはそれぞれ副賞として100万円とチキンラーメン1年分、優秀賞には50万円とチキンラーメン半年分が贈呈される。
横浜市の荒木田百合副市長は、「SNSで人と人が簡単に出会うことができる今だからこそ、リアルに人と出会い、海や空や緑を眺めながら仲間と語らうことができる場所や体験が重要。今回受賞された団体はみな素晴らしい体験活動を展開している。横浜では、ラグビーワールドカップやオリンピック・パラリンピックの開催も控えている。テレビやインターネット中継ではなく、是非足を運んで、トップアスリートが自らの限界に挑戦している姿を目に焼き付けてほしい」と話した。
当日は「自然体験~遺伝子にスイッチを入れるには~」をテーマに、元サッカー日本代表監督で株式会社「今治.夢スポーツ」代表取締役会長の岡田武史さんの講演も実施。「『安心・安全』という文脈のもと、守られてばかりいる子どもたちには、自ら『生きる力』をつけることが難しくなっている」と話し、厳しい環境に身を置きながらも仲間と協力し合い取り組むことの大切さを環境教育の中で培っていく重要性を話した。
今回表彰された4団体のほか、「推奨モデル特別賞」に伊那市立長谷中学校(長野県)の「鹿嶺の頂を極める!~激辛ジビエカレーで地域おこし~」、「トム・ソーヤー奨励賞」に大阪市立瓜破小学校「ネイチャークラブ」(大阪府)の「アトリファームでESD!~学校・地域・家庭が協働した循環型の飼育・栽培活動を通して~」、石巻のプレーパークと子どもの遊びを考える会(宮城県)の「遊び・学び・育つイベント『OGASU村』開催~河川敷で子どもの想像力と発想力を思う存分発揮する~」、「努力賞」に6団体が選ばれた。
安藤スポーツ・食文化振興財団は、日清食品創業者の安藤百福が「食とスポーツは健康を支える両輪である」という理念のもと、子どもたちの健全な心身の育成と食文化の発展を願い、資材を提供して1983年に設立した公益財団法人。陸上競技の支援事業、食品開発、ベンチャーなどを支援する食創会「安藤百福賞」表彰事業、安藤百福発明記念館(愛称:カップヌードルミュージアム)の運営のほか、「自然とのふれあいが子どもたちの創造力を豊かにする」という創設者の思いから、設立当初から自然体験活動の普及に取り組んでいる。
受賞団体など詳細はホームページ「自然体験.com」から。