文化芸術などを発信する拠点「BankART Station」(横浜市西区みなとみらい5)と「BankART SILK」(中区山下町1)で現在、企画展「心ある機械たちagain」が開催されている。
BankART Station入り口、土下座をするとコーヒーが出てくる作品「全自動土下座珈琲(コーヒー)」
2008年にBankART1929で開催された「心ある機械たち」展の続編で、「基本的に役に立たないが、常に働いていて、どこか優しく、そこにいても邪魔にならない、でも何か気になる」機械や装置の展覧会として企画した。
出展作家は、牛島達治、タムラサトル、川瀬浩介、早川祐太、西原尚、片岡純也、武藤勇、小林椋、今村源、三浦かおり(以上、敬称略)の10人。BankART Stationには20作品、BankART Silkには8作品を展示。そのほか、2008年の「心ある機械たち」展に出品し、昨年8月に亡くなった前衛芸術家集団「ネオダダイズムオルガナイザーズ」の田中信太郎さんの作品「ハートのモビール」の小品も追悼展示している。
昨年12月27日に行われたオープニングでは各作家があいさつ。音を主軸に美術制作を手掛ける西原尚さんは「人ではなくモノと対話している作家が多いのが面白い」とコメント。真球に限りなく近いベアリングの球の動きで曲を奏でる「ベアリング・グロッケンII」を展示した川瀬浩介さんは「寸分違わぬ球で完璧を求めたが、たまにミスが起こるとかえって人が笑顔になる。不確かさが人の心を揺さぶると分かった」と解説。
中には、見るだけでなく関わることのできる作品もある。BankART Stationの入り口横にある武藤勇さんの「全自動土下座珈琲(コーヒー)」は、鑑賞者が作品上で土下座をすると、土下座の動きの感知がトリガーとなりコーヒーが抽出され、それを味わうことができる参加型作品。鑑賞者が作品に登り土下座をする姿を、駅を訪れた人が眺めて楽しむ一幕もあった。
開催時間は11時~19時。入場料は2会場共通で600円。2月2日まで。