連節バスとしては国産1号車となる大型路線ハイブリッド連節バス「BAYSIDE BLUE」が2月10日、横浜ハンマーヘッドで車両公開された。横浜市では都心臨海部のにぎわいづくりに寄与する新たな交通として、連節バスを活用した新たな交通「高度化バスシステム」を6月より、横浜駅東口から山下ふ頭間に導入する。
連節バスの2020年時点での運行予定ルート(横浜市交通局発表)
「高度化バスシステム」の基本コンセプトは、都心臨海部全体の回遊性を高め、市民だけでなく、観光客などの来街者にとっても分かりやすく、使いやすく、快適に回遊できるバスシステム。市が2015(平成27)年に策定した「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」に基づく施策「まちを楽しむ多彩な交通の充実」の主な取り組みの一つ。
「BAYSIDE BLUE」の車種は「日野ブルーリボン ハイブリッド連節バス」、日野自動車がいすゞ自動車との共同開発により誕生した国産初の連節バスで、ディーゼルエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムを搭載。連節バスの前後の車両は切り離すことができず、鉄道客車間のように通り抜けることが可能。後部はトレーラーのようなけん引車両に連結している状態ではないため、運転にはけん引免許は不要で、大型二種免許のみで可能。
車両発表会では、平原敏英横浜市副市長が主催者あいさつ、日野自動車企画部の山口誠一さんが車両について紹介した後、乗車体験として関係者が乗車し走行した。車両は大量乗降に適した幅広扉を備え、全長の長い連節バスでありながら、最小回転半径は9.7メートルと取り回しやすさを確保した。
運行事業者は横浜市交通局。ルート沿いには、約2万席を予定する音楽ホール「Kアリーナ」が2023年にオープン予定、終点となる山下ふ頭では10月からは「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環として「18メートルの実物大ガンダム」の公開を約1年間予定するなど、将来的な需要も多く見込まれる。
市交通局の担当者は「横浜らしい青いラッピングのバスでベイエリアの乗車を楽しんでほしい」と話す。
乗車定員は一般的な路線バスの約1.5倍の113人、全長は17.99メートル、全幅2.495メートル。6月の運行開始時には4両の導入を予定。