横浜市芸術文化振興財団によるクリエーターなどの支援プロジェクト「アーツコミッション・ヨコハマ」が現在、2020年度の活動に対する助成案件を募集している。
「クリエイティブ・インクルージョン活動助成」、坪田義史監督作品「だってしょうがないじゃない」本編スチール
募集内容は4種類。「U39アーティスト・フェローシップ助成」は、横浜から世界に芸術文化を発信する39歳以下の美術、舞台芸術分野のアーティストにおけるキャリア形成を目的に年間の活動を上限100万円まで支援する。昨年は51件の応募があり、東京藝術大学の横浜キャンパスを拠点に活動する美術家の布施琳太郎さんや、黄金町を拠点のひとつとして活動する本間メイさんら7人が採択された。
「クリエイティブ・インクルージョン活動助成」はアーティスト、クリエーターらが社会包摂の視点を持ちながら現代の表現を追求していく活動を上限200万円まで支援する。昨年は26件の応募があり、新規採択2件、継続採択2件の4件が採択。新規は美術家の竹本真紀さんによるアートプロジェクト「寿町で子どもたちと山車まつりをしたいっ」、継続には現代美術家の渡辺篤さんがひきこもり当事者・経験者とのインスタレーション「修復のモニュメント」などがあった。
「ヨコハマ創造産業振興助成」は、見本市の出展などの販路拡大に向けたプロモーション活動などを上限200万円で対象経費の2分の1以内を支援する。クリエーター、企業、大学などが行う革新的、創造的な取組の支援により、創造産業へ積極的に行動する街・横浜を発信していくことを目的とする。昨年度に始まり、昨年は4件の応募のうち、「スタジオニブロール」による超消臭・抗菌繊維商品の開発をする「HOSPITILE(ホスピタイル)プロジェクト」など3件が採択された。
本年度の助成制度は、新型コロナウイルスの感染拡大による前に公募が始まったが、緊急事態宣言発令後の状況を考慮しながら進める。担当の里見有祐さんは「アーツコミッション・ヨコハマが活動してきた中でも最も困難な時。アーティストは活動を思うように続けられず、市民が生で芸術に触れたくてもできない状況。その中で何を提案するのか悩むと思うが、悩んだままでもよいので、まずは相談を」と呼び掛け、「一緒にこれからの活動を考えたい。寄り添い、柔軟にサポートをします」と話す。
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、申請前の相談は、ビデオ通信、メール、電話などオンラインで行っている。締め切りは4月20日、電子メールで応募できる。
このほか、新たに関内・関外地区へ拠点を移す横浜市外のクリエーティブ企業の移転を支援する「クリエーターのための事務所等開設支援助成」を4月1日より随時受け付けている。設備導入費、改装費、家賃12カ月相当分で、対象経費の2分の1以内、上限200万円。締め切りは2021年1月29日まで。
【4月14日追加情報】
新型コロナウィルス感染拡大期の環境を鑑み、「クリエーターのための事務所等開設支援助成」以外の3助成について、今年度は前払いが可能になった。助成申請額の最大80%を前払いする。