JR横浜駅の中央南改札に4月22日、駅係員が描いた妖怪「アマビエ」の絵が貼り出された。疫病退散を願って、駅係員が1人1枚ずつ、「アマビエ」のポスターを手描きした。
アマビエは江戸時代、1846年に肥後(現在の熊本)に現れたとされる妖怪で、「病流行、早々私写し人々に見せくれ(私の姿を描いた絵を人々に見せて)」と話し海の中へと帰ったと伝わっており、アマビエの絵は疫病を鎮めるとされる。
「横浜駅元気発信プロジェクト」と題された解説ポスターには、同駅の係員一人一人が「新型コロナウイルス感染症の流行が終息したらやりたいこと!」を現したアマビエをたくさん描いたことや、街がいつものにぎわいを少しでも早く取り戻せるように、横浜駅から元気を発信していくという説明と共に、「皆さまも色々なアマビエを眺めながら少しでも楽しい気持ちになっていただければ幸いです」とメッセージを添える。
「温泉に入りたい」「成人式がしたい」「ハワイに行きたい」「ハマスタで野球観戦したい」などの願いが並ぶ中、東北新幹線の始発駅東京駅へと向かう東海道線の上りホーム階段には「青森の母ちゃんに会いたい」と涙を誘う願い事も。
各ポスターにはハッシュタグ「#横浜駅アマビエ」が書かれ、ツイッターでこのタグを検索すると、少し怖がる声もあるが、「JR、ほんと最高」「ほっこり」「かわいい」など好意的に受け止められている。
駅でポスターを目にした乗客の一人は「叫びと祈りがユーモアをもって表現されていて、面白くて、少し切ない」と話していた。
ポスターは、中央南精算機横に6枚、5・6番線階段(東海道線下り)に10枚、7・8番線(東海道線上り)に9枚、9・10番線(湘南新宿ライン)階段に9枚貼られている。