新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき4月7日に発せられた緊急事態宣言を受け同月8日から運休していた観光スポット周遊バス「あかいくつ」が、6月1日から運行を再開する。当面の間は、土休日も「平日ダイヤ」で運行する。
あかいくつ「大桟橋(入口)」市バス「大桟橋」はどちらも「大さん橋入口」に名称変更
「あかいくつ」は、桜木町駅を起点に、明治期以降の近代建築や港などに代表される「古き良きヨコハマ」を巡るCルートと、モダンな都市デザインに彩られたみなとみらいエリアを中心とした「新しいヨコハマ」を巡るMルートがある。
54日ぶりの営業再開となる6月1日には、横浜市営バスの停留所名称変更と足並みをそろえ、バス停名称が一部変更になる。変更する停留所は、Cルートが、馬車道駅前→横浜市役所前、横浜第二合同庁舎→馬車道駅前、大桟橋→大さん橋入口の3停留所。Mルートでは、みなとみらい大通→ぴあアリーナMMとなる(いずれも旧名称→新名称)。
Cルートでは、横浜出身のアナウンサー・渡辺真理さんによる音声ガイダンスで路線案内を流すなど観光スポット周遊バスとしてのサービスを提供している。
観光系バス路線である「あかいくつ」は、音声ガイダンスのほかにも、一部の乗務員による工夫を凝らした停留所の車内アナウンスも知られる。旧「馬車道駅前」バス停では「『馬車道駅前』は、実は馬車道駅の最寄りではございません。『馬車道駅』をご利用のお客様は、次の『横浜第二合同庁舎』をご利用ください」というアナウンスが乗客を和ませることもあった。
「横浜第二合同庁舎」から「馬車道駅前」への名称変更により、現実に即する形となるが、アナウンス変更の予定を横浜市交通局に尋ねたところ「アナウンスは乗務員のホスピタリティで実行しているため、今後どう伝えるかは乗務員個々人の判断による」とのこと。
新型コロナウイルスの影響下では、東海道新幹線700系などでラストランが中止になり「事実上のラストラン」が後日振り返られる事例が見られたが、「あかいくつ」にとっては、旧バス停名称での運行は、4月7日が「事実上の最終運行」だったことになる。
横浜市交通局の担当者は「再開にあたり、車内の消毒や一部の窓を開けた運行などの対策をとる。乗車の際はマスクの着用など感染予防に十分配慮をお願いしながら、横浜の景色を楽しんでいただけるように運行していきたい」と話している。