JR関内駅の南口に5月22日から、駅員による手書きの「横浜市庁舎とそこで働く皆様」と題したポスターが張り出されている。
5月22日に役目を終えたJR関内駅南口前の旧横浜市庁舎(横浜市中区港町1)は、1959(昭和34)年9月12日に落成。開港100周年を記念して建設された。横浜市庁舎としては、1889(明治22)年7月22日の市制施行に伴い、1887(明治20)年から横浜区役所として使用していた本町一丁目の旧横浜電信分局を初代横として使用して以来、7代目だった。
JR関内駅は、1964(昭和39)年5月19日に、根岸線の桜木町-磯子間の開通時に、国鉄の駅として開業した。市庁舎供用開始から5年弱たっての開業で、駅建設中の当時の写真を見ると、背景にはすでにあった7代目市庁舎が写っている。
「56年間、関内駅をご利用いただきありがとうございました」で始まるポスターの言葉は、「昭和39年に開業したその時から私たちの目の前に堂々とその市庁舎はありました。駅周辺の風景は大きく変わっていきましたが、横浜市庁舎と関内駅だけは、その中で変わらず存在してきました」と続く。
駅員一同からの言葉として作ったが、制作は入社2年目の同駅社員3人が手掛けたという。
通勤では使わなくなった関内駅にメッセージがあることを知った市役所職員の1人は「これだけ長い間、お隣にいたので桜木町に行かれてしまうことは、ちょっと寂しいです」と書かれたポスター目にして、「泣けますね、こちらこそ感謝の思いでいっぱいです」と話していた。
手書きのポスターは、関内駅南口みどりの窓口の横にも貼られており、アマビエの絵とともに「誰かのために、頑張ってくれているみんな、ありがとうございます」と両親や医療従事者らへの感謝が書かれている。