看護師として働く香山友芳里さんが、感染が減っても依然医療物資不足が続く中、医療従事者に使い捨てガウンを送りたいと、クラウドファンディングでの資金調達に挑戦している。
ポリエステル製、長袖、丈も長めで、体全体を覆うことができるガウン
緊急事態宣言が解除となり、累計感染者数から退院者数と死亡者数を減じた「現在感染者数」は、厚生労働省の発表によると、神奈川県では5月7日の913人がピークで、6月8日現在は129人に減少、東京都では4685人から369人に減少した。
数字の上ではピークは乗り越えたように見えるが、看護師として働いて9年になる香山さんは、「医療現場において、感染者数の減少は、必要医療物資数の減少と同じ意味ではない」と感じていた。看護学校時代の同級生や、他の病院で働く知人から「いまだに物資が不足しているため手作りや再利用でなんとかしのいでいる」と聞いた。マスクは入手可能になってきたが、患者対応をする際に必要な、全身を覆いウィルスへの感染から身を守るための使い捨てのポリエステル製ガウンが不足しており、「在庫がなくてゴミ袋を被って対応している」という人もいる。
ポリエステルのガウンは、感染から身を守るため一度脱ぐと再利用できない。限られた在庫を大切に使うため、できるだけ交換しなくて良いように水分摂取を控えトイレの回数を減らすなど工夫をしているが、患者対応に追われて大変な中に、ガウンやマスクで身体を覆いながら長時間働き、水分摂取ができないのは医療従事者にとって身体的に大きな負担がかかる。
同じ医療従事者として、現場の大変な状況に対して、「今自分が仲間たちにできることが何かあるはず」と思い、ポリエステル製の使い捨てガウンの仕入れ先を探しだした。自分の資金だけでは仕入れることができる枚数が限られると、クラウドファンディングに挑戦することを決めた。
寄贈先は、第一種感染指定医療機関や、新型コロナウイルスの対応をしている医療機関など。横浜市内へは新型コロナウイルスに対する支援寄付を受け付けている新型コロナ助け合いプラットフォーム「#おたがいハマ」を通じて医療機関等への寄付を予定する。
クラウドファンディング目標額は100万円で、1医療施設あたり500枚(約半月分)のガウンを届けることを目指す。目標金額を達成した場合のみ成立するAll-or-Nothing方式。支援募集は6月11日23時まで。