北仲BRICK & WHITEに25日、「Dance Base Yokohama」がグランドオープンした。プロフェッショナルなるから初めてダンスに触れる子どもまで、ダンスに関わる人々が垣根なく集う場となるようにとの思いを込めて、愛称を「DaBY」(デイビー)とする。
アーティスティックディレクターの唐津絵理さんと、ダンスエバンジェリスの小尻健太さん
「DaBY」は、プロフェッショナルなダンス環境の整備と、ダンスに関連するあらゆるクリエイター育成に特化した事業を企画・運営するダンスハウス。複合芸術としてのダンスの発展のため、振付家やダンサーといったアーティストのみならず、音楽家、美術作家、映像作家、照明デザイナー、音響デザイナー、プロデューサーやプロダクションスタッフ、批評家、研究者、更に観客との交流拠点となることを目指す。
アクティングエリアは天井高3メートル、面積約190平方メートル。空間がダンサーにとって「居心地のよい場所」となることにこだわり、旧横浜生糸検査場付属専用倉庫を当時の構造で復元という制約のある中でも、外光がスタジオに差し込む導線を確保した。
アーティスティックディレクターには、愛知県芸術劇場シニアプロデューサーの唐津絵理さん、ダンスエバンジェリスに振付家・ダンサーの小尻健太さん、アソシエイトコレオグラファーに横浜生まれの振付家・ダンサーの鈴木竜さんをむかえる。
唐津さんは「『DaBY』によってダンスに関連するあらゆるクリエイターがダンスに関する創作活動できる場所が広がる、拡張していく。リサーチをしたり、作品を自分の身体で作っていく。また、劇場に行く一歩手前の方々が気軽にダンスに触れる機会を作る。総合的にダンスに取り組むことで、作品が生まれる場、作品の種ができる場になるといい」と期待を込める。愛知県芸術劇場との連携も視野に入れる。
小尻さんは3歳からダンスを始め、ネザーランド・ダンス・シアターⅠには日本人男性と初めて入団。退団後、スウェーデン王立バレエ団、Noism、シルヴィ・ギエム「6000 Miles Away」、キリアンプロダクションに客演する一方、ソロパフォーマンスなど創作を軸に活動を展開している。「プロフェッショナルなダンサーには、海外での自分のダンス経験を惜しみなく伝えたい。まだダンスに触れたことのない人に向けても、トークやワークショップを開きたい」と話す
祖母と母は横浜出身だという小尻さん。「小さい時、好きだったものはずっと残る。自分も3歳で初めてスポットライトを浴びたときの『照明を浴びるとこんなに楽しい』という記憶がある。横浜の子どもたちに向けて、舞台に立ちたいと思えるような経験を提供したい」と言う。
「DaBY」では、振付家・ダンサーの平原 慎太郎による公開型の新作クリエイションなどのオープニングコンテンツが28日まで続き、その後も、クリエイションを行うレジデンススペースでありながら、地域のアーティストや市民との交流も行い、ワークショップや実験的なトライアウト公演の実施や、ダンスアーカイブ事業など、さらなる多様な試みを展開予定。
開館時間は10時~18時。WEBサイトから無料の「DaBYメンバーズ」登録をすると、アーカイブエリアも無料で利用可能。