横浜市新市庁舎(横浜市中区本町6)が6月29日に開庁し、9時から同市庁舎1階アトリウムで開庁式が開かれた。
式の冒頭では横浜市会第50代議長の横山正人議長が挨拶。戦禍や災害で短命に終わった庁舎と比べ「平和の象徴」とたたえられた前市庁舎とともに「新市庁舎も平和の象徴となるように」と願いを込めた挨拶をした。
横浜市歌の演奏ののち、林文子横浜市長が登壇し、「広く市民に寄り添う市政」を掲げ、新市庁舎の開庁宣言をした。
8代目の新市庁舎は、行政棟と議会棟で構成され、地下2階・地上32階建ての高さ155メートルの行政棟と、議会棟からなり、約6,400人の職員が勤務する。建物は、2020(令和2)年1月に竣工(しゅんこう)。横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅に直結するほか、JR桜木町駅からは大岡川を横断する「さくらみらい橋」と2階で接続されている。
三層吹き抜けのアトリウムは、天井のトップライトやガラス張りの壁面から光が注ぐ開放的な空間で、昇降ステージや270インチの大型スクリーンなどの設備を備え、スポーツ観戦するパブリックビューイングや演奏会などが開催できる。
同日、同庁舎1階に「横浜市市民協働推進センター」が正式にオープンした。「非営利」「自主的」「公益性」「属市域性」の要素を満たす団体が登録可能で、総合的な相談窓口やミーティングスペースとしての使用が可能。
2階には「よこはま建築情報センター」が6月15日より業務を開始。建築計画概要書の閲覧、建築・宅地に関する一般相談台帳記載証明書、新築の住宅用家屋証明書、開発・宅造の証明発行開発事業計画書の縦覧・閲覧などができる。
3階には、障害のある人もない人も同じ空間で働くふれあいショップ「marine blue(マリン・ブルー)」がオープンした。市内の障害者施設で働く人たちが作ったパンやお菓子、市内の酪農家が搾ったミルクを使ったソフトクリームを販売する。
新市庁舎の低層部は、商業施設「ラクシス フロント(LUXS FRONT)」となり、1階に、セブンイレブン、マツモトキヨシ、スターバックス、QBハウス、2階に郵便局、横浜銀行、寿司(すし)と山形蕎麦の「海風季」が開業。今後横浜創業の書店丸善のブックカフェ「HAMARU」や、和風創作料理「TSUBAKI食堂」、みやげ店などがオープンを予定している。