東京急行電鉄(東急)が催行し、東日本旅客鉄道(JR東日本)と伊豆急行(伊豆急)が運行している横浜と伊豆エリアを結ぶ観光列車「THE ROYAL EXPRESS」が、2020(令和2)年7月21日4時39分、JR貨物の電気機関車にけん引され、伊東駅(静岡県伊東市)から北海道に向け出発した。2017(平成29)年7月21日に運行開始した同列車が、3年後の同日に海を渡る旅に出た形となった。
「THE ROYAL EXPRESS」による北海道内のクルーズは8月を予定し、札幌を出発後、十勝エリアや知床エリア、旭川・富良野エリアを列車やバスなどで巡り、札幌へ戻る3泊4日の周遊プラン。北海道の自然や、人々とのふれあいを通じ、ゆったりとした時間を過ごすことを狙う。
東急、JR東日本、北海道旅客鉄道株式会社(JR北海道)、日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)が協力し、北海道胆振東部地震の影響を受けた北海道を応援するための、観光振興と地域活性化を目的とした観光列車の走行プロジェクトとして位置づけられている。
列車内サービス用電力を供給する電源車(東急所有)は「『THE ROYAL EXPRESS』のロイヤルブルーとオレンジを粋につなぐ色」として「白・ホワイト」をメインカラー、北海道内で列車の動力となる機関車(JR北海道所有)は「北海道の力強く明るく元気な太陽の色・収穫の色」として「橙・オレンジ」とし、列車の装飾は「THE ROYAL EXPRESS」を手掛けたドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治さんがデザインした。
2020年の運行は新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた準備に時間を要することから、全5回の運行予定を3回に変更した。計150人の応募枠に対し、計1,232人の応募があり、2021年夏にも計7回運行することが決まっている。
横浜駅地下2階の南北連絡通路には、観光列車「THE ROYAL EXPRESS」のラウンジに隣接してカフェ「THE ROYAL CAFE YOKOHAMA」があり、車両デザイナーの水戸岡さんが内装デザインを手がけた店内で、乗客でなくても列車で提供されているスイーツやドリンクを楽しむことができる。