横浜市消防局は7月30日、消防ヘリコプター操縦士の訓練の一環として、新市庁舎屋上の場外離着陸場への離着陸訓練を実施した。同場外離着陸場における初めての離着陸となった。
ヘリポートの奥にハマスタ ランドマークから見る市役所屋上の場外離着陸場
市の消防局航空消防隊は現在ヘリコプターを2機保有している。レオナルド社(イタリア)製のAW139型でそれぞれ「はまちどり1」「はまちどり2」という愛称がつけられている。今回の訓練は「はまちどり2」を使用した。
「はまちどり2」は、横浜ヘリポート(横浜市金沢区)から離陸し、32階建ての市庁舎屋上の場外離着陸場(横浜市中区本町6)に着陸、約5分間停止してから再離陸して横浜ヘリポートに向かい、2往復した。パイロットが高層ビルの多い市庁舎周辺地区における飛行の習熟をすることを主な目的とし、翌31日までの2日間で4往復、同隊の飛行士7人のうち4人が機長を経験する。
同機は2019(令和元)年に関東各地で記録的な暴風となった台風15号の際に、搭乗口付近まで浸水する被害を受けたため、レオナルド社指定の静岡県の工場に陸上輸送し修理を受けていた。7月22日に修理が完了し、横浜に戻って以来、初の運用となった。
訓練を統括した消防局航空科長の櫻井清二さんは「『はまちどり2』が台風で浸水する様子を目の前で見ていたので、感無量」と話し、「首都直下地震など、今後想定される大規模災害に備え訓練を頑張りたい」と続けた。
旧市役所では離着陸場は設置されておらず、みなとみらいヘリポート(みなとみらい1)を使用していた。櫻井さんは、建物の災害などの緊急時の救助活動及び消火活動に利用が限定された「緊急離着陸場」ではなく、国土交通大臣の許可を得ることで日常的に離着陸が可能となる「場外離着陸場」が新市庁舎にできたことの意義を強調した。場外離着陸場では、大規模災害の際、被災地への物資輸送機などの離着陸も可能となる。
訓練は31日も実施予定、14時から約30分間で2往復を予定する。