8月10日にオープンした横浜駅構内の商業施設「エキュートエディション横浜」では、横浜に縁があるアーティストの作品を壁面や各ショップに展開し「通り」と「ショップ」が一体となった空間を生み出している。
壁面作品を手掛けたのは、横浜出身のペインター「Yusuke Hanai」さんと「KENSUKE TAKAHASHI」さん、横浜のダイニングバー「横浜グラスルーツ」のイベントなどで活動経験があり現在はニューヨークを拠点とする「Dragon76」さんの3人。「BYROAD(脇道)」「LOCAL」「WORLD」をキーワードにした。
Yusuke Hanaiさんはエキュート入り口に多様な人々が行き交う様子を、Dragon76さんはエレベーターホールに「共存」をテーマにした子どもたちを、KENSUKE TAKAHASHIさんはホーム連絡通路に竜の絵を、それぞれ描いた。
竜は横浜の区の数と同じ18球の玉をまとい、体表には横浜開港資料館のたまくすの木や、鉄道発祥の地にちなんだ蒸気機関が描かれており、過去から明るい未来に向かっていく横浜をイメージし、「守護竜」の意を込めている。
これらのアート作品全体のコンセプトは「CATCH MURAL(ミュラール)」、ミュラールとは壁面の所有者・管理者の承諾をもとに描かれることの壁画のこと。日常生活の中で触れる機会が少ない「アート」を「駅」という日常の中に配置することで、横浜の「マチ」と「ヒト」をつなぐことを目指す。
プロデュースした「ガーデングローブ」(横浜市西区)の佐藤航さんは「横浜ゆかりの作家たちに、横浜の多様性や歴史、未来への希望を絵に込めてもらった。世界で活躍するアーティストたちの横浜への思いを感じてほしい」と話す。
通路以外にも入居する各店が趣向を凝らしており、すし店「横浜すし好」にKENSUKE TAKAHASHIさんが描いた横浜港を想起させる壁面の絵や、シェアオフィス「STATION DESK横浜」にはペインター「澁谷忠臣さん」と「LUISE ONO」さんによる額装作品を飾る。
ワインバル「matsu e mon YOKOHAMA」では、ワインのコルクで絵を描くコルクアーティスト久保友則さんが肖像画を手掛けた。久保さんは「店で開けたワインのコルクを使ってお客さんと共に作品を作っていきたい」と今後の展望を口にする。
「エキュートエディション横浜」は「EKINAKA BYROAD 『TSUDOU』(エキナカで脇道に入って集う憩いの場)」をコンセプトに、飲食店4店とシェアオフィスから成る。営業時間は7時~23時(店舗により異なる)。