横浜中華街でレストランを経営する招福門(横浜市中区南仲通)が8月から、料理の自動配膳ロボット「T5(ティーファイブ)」導入に向けた実証実験を行っている。
実証実験が行われているのは、同社が経営するレストラン「招福門横浜本店」(山下町)の香港飲茶食べ放題フロア。T5は天井に貼ったシールを赤外線で読み込んでフロア内を自律走行し、スタッフの代わりに配膳と下膳を行う。新型コロナウイルス感染症対策として、人と人の接触を極力減らすのが目的。
T5は自律走行や障害物自動回避の他、エレベーターの乗降や料理到着の音声案内、顔表情でのコミュニケーションも可能。一度に最大5カ所、重さ50キロまで同時に配膳できる。最大移動スピードは毎秒1メートル。
利用客からは「ロボットが配膳している」「珍しい」と驚きの声が上がり、「自動配膳の様子がエンターテインメントとして楽しまれている」という。スタッフも珍しい光景を楽しみながら、ロボットが通りやすい席配置を考えたり、こぼれやすい料理は人が運んだりするなど工夫しながら実証実験に臨んでいる。
広報担当の鈴木安佳音さんは「検温や消毒などに加えて最新技術を取り入れた対策も行っている。非接触型の次世代レストランを目指し努力を続けるので、安心して足を運んでいただければ」と呼び掛ける。接触を減らすため、現在導入されている共用タブレット端末からの注文の他に利用客自身の携帯端末から注文ができるシステムの導入も検討している。
実験期間は3~6カ月を予定。今後は3~5階の宴会フロアでも導入を検討している。
同レストランの香港飲茶食べ放題フロアと宴会フロア以外は臨時休業中で、再開の目途は立っていない。