2027年に横浜で開かれる国際園芸博覧会の推進委員会の設立総会と記念式典が11月6日、東京の経団連会館で行われた。国際園芸博は、同年3月から9月まで旭区・瀬谷区にまたがる旧上瀬谷通信施設で開催される。同委員会は、博覧会開催に向けた組織づくりと、全国的な機運を盛り上げていくことを目的に設立、式典には林文子横浜市長らが参加した。
2027横浜国際園芸博覧会の推進ロゴマークを紹介する林文子横浜市長
国際園芸博覧会は、園芸文化の普及や花と緑のあふれる暮らし、地域・経済の創造や社会的な課題解決への貢献などを目的に開催。横浜での博覧会は、国が関与して開催される最高クラス(A1クラス)のもので、日本国内では1990年に大阪で開かれた「国際花と緑の博覧会(花の万博)」以来となる。
2027年の博覧会のテーマは「幸せを創る明日の風景 Scenery of The Future for Happiness」。返還された上瀬谷通信施設の跡地に80~100ヘクタールの会場を整備し、期間中1500万人以上の来場者を見込む。
推進委員会の会長には、経団連の中西宏明会長が就任。林市長と横浜商工会議所の上野孝会頭が会長代行に就き、黒岩祐治神奈川県知事らが顧問を務める。関係地域の議会、花や農業、国際協力や貿易、交通など幅広い分野の関係者が委員となり、開催に向けたムードを盛り上げていく。
林市長は「161年前、開港の地であった横浜からは多種多様な園芸植物が諸外国に送り出された。諸外国と日本との交流の拠点だった横浜は今、県内最大の農業産出額を持ち、大都市でありながら花と緑にあふれたガーデンシティ横浜として進化を続けている」とあいさつ。2017年に600万人を超える来場者があった「全国都市緑化よこはまフェア」のレガシーを継承するため、毎年、ガーデンネックレス横浜を開催していることも紹介した。
開催場所となる旧上瀬谷通信施設は1951年に米軍が接収、2015年に64年ぶりに全域が返還された。林市長は、戦後長きにわたり市内最大の米軍施設であり、「苦労をした地権者、周辺住民、横浜市にとって、返還は悲願であった」と指摘し、「この地は平和の象徴であり、美しい花と緑とともに、平和と愛のメッセージを世界に発信していく」と思いを語った。
横浜商工会議所の上野会頭は「国際園芸博で世界の目を再び横浜に向けていただきたい。それが横浜ルネッサンスへの大きな契機となる」と期待を述べた。黒岩知事は、横浜市、神奈川県がともに2018年、国のSDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業の最初の10自治体に選定されたことを紹介したうえで、「SDGs最先端の2自治体が手を組んで、2030年のSDGsの目標直前に、神奈川・横浜から未来に向けた新たな希望を発信していきたい」と決意を話した。
記念式典では、横浜市の花であるバラをイメージした博覧会の「推進ロゴマーク」も公開され、林市長がマークに込められた意味を紹介した。花びらは、世界の自然、人、文化と交流が重なる様子を表し、それを支える茎は横浜の「Y」の文字、緑の葉は自然との共生を表している。