障害のある人とアーティストが共に創作する3年に一度の現代アート国際展「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020(パラトリ)」のコア会期が11月18日、スタートした。
「ヨコハマ・パラトリエンナーレ2020」参加アーティストの皆さん
「ヨコハマ・パラトリエンナーレ」は、誰もが健康や環境などの障壁に阻まれずに文化芸術活動に参加し、居場所と役割を実感できる地域社会の実現を目指す「もうひとつのトリエンナーレ」として2014年にスタート。第3回となる今年は、「our curioCity-好奇心、解き放つ街へ」をテーマに、オンラインと横浜市役所新庁舎(横浜市中区本町6)で横断的に展示やトークイベントを展開する。主催は横浜ランデヴープロジェクト実行委員会とNPO法人「スローレーベル」、横浜市文化観光局と同健康福祉局共催。
横浜市役所新庁舎では、アーティストの井上唯さんによるインスタレーション作品展示、「読む展覧会 BOOK PROJECT『そのうち届くラブレター』」本の配布と一部作品の展示、港南福祉ホームとミナ ペルホネンとのコラボ作品「sing a sewing」展示・販売、サーカスアニメーション「MEG-メグの世界-」スクリーン上映などを実施。「パラトリTV」 特設スタジオでは、オンラインで生配信する各プログラムのスタジオ観覧を限定30人募集する。
オンラインでは、BOOK PROJECTの本がダウンロードできるほか、映像作品と「パラトリTV」各プログラムが鑑賞できる。
11月21日11時30分からは、作家の乙武洋匡さん、車椅子インフルエンサーでメディアラボディレクターの中嶋涼子さんによるメディアラボ公開トーク「パラ枠をこえる伝えかた」を開催。22日14時からはデザイナーの皆川明さんと演劇団体uni、港南福祉ホームのメンバーによるパラトリテレビ 「HELLO! My Neighbors わたしとあなたのパラトリヒストリー」を放送する。
そのほか、11月20日には横浜市立みなとみらい本町小学校の5年生の児童たちを招いた「パラトリみらいサミット」、障害のある方の文化芸術活動の今後のあり方などについてディスカッションする「ヨコハマ・パラトリエンナーレ シンポジウム」を実施。キュレーターズトーク、日本初公開のドキュメンタリー映画なども用意する。
17日に行われたプレスツアーで、総合ディレクターの栗栖良依さんは「社会が分断されていると言われる中で、好奇心が社会を突き動かすと考えている。前回の2017年から障害のある方の参加が大幅に増えたが、今年はオンラインになったことで判別がつかなくなった。障害者という言葉がなくなるということを2014年のパラトリエンナーレ立ち上げ当初から目標に掲げていたので、その言葉がない世界観を作るという一つの目標が達成できたと思っている」と話した。
コア期間は11月24日まで。プログラムはすべて無料。