村田製作所が12月16日、子ども向け科学体験施設「Mulabo!(ムラーボ!)」を同社のみなとみらいイノベーションセンター(横浜市西区みなとみらい4)内に開館する。
科学や技術に関する本をカフェで読みながら学べる「シンクゾーン」のイメージ
「エンジニアの卵が生まれるきっかけの場」をコンセプトとした同施設では、「目に見える科学」をテーマにした展示で科学の楽しさを伝える。各種展示を行う「DISCOVER(ディスカバー)ゾーン」、科学や技術に関する本を集めたライブラリーにカフェを併設した「THINK(シンク)ゾーン」など、複数のエリアから成る。
ディスカバーゾーンでは、専用端末を使ってクイズに答えながら学べるメインの体験展示をはじめ、楽しみながら科学を学べる展示を行う。クイズのメインターゲットは小学校5年・6年だが、小学校低学年から楽しめるコンテンツも用意するという。
同社の技術や製品を用いた展示では、コンデンサーや超音波センサー、ねじったり曲げたりの動作を検知できる「圧電フィルム」を使用。小さなコンデンサをルーペ穴を通してのぞいたり、モーターが動くしくみを学んだり、超音波センサーで手の高さを検知して音楽を演奏したりできる。圧電フィルムは、曲がるスマホや曲げ・ねじりの動きで操作できるリモコンやコントローラーに応用できる技術として、同社が提案しているセンシングデバイス。
電子基板の中を乗り物で競争する「エレクトロニクスサーキット」、画面上のインストラクターとタイミング良く同じポーズをしてシンクロ度を競う「シンクロセンシング」、ボールに見立てた仮想電磁波をできるだけ多くキャッチする「シグナルキャッチャー」など、遊びながら学べる展示も用意する。
シンクゾーンでは、ライブラリーの本をカフェで読みながら学ぶことができる。キッズスペースや授乳ルームも用意。
イノベーションセンター管理部人事総務課の関口晴巳さんは「かねてよりロボットを用いた出前授業など、STEM(科学・技術・工学・数学)教育に熱心に取り組んできた。当館を通じて科学、電気の面白さ、不思議さと出会い、将来エンジニアが一人でも多く生まれたら、エレクトロニクス社会への貢献にもつながる。新型コロナウイルス感染拡大防止策をしっかり行ったうえで、皆さんが楽しく学べる施設にしていきたい」と話す。
開館時間は10時~17時。休館は日曜・月曜と同社の休業日。入館無料。専用端末を使った体験展示は事前予約が必要。
「みなとみらいイノベーションセンター」は、同社が今年9月新たにみなとみらい21地区に設立した研究開発拠点。既存事業や新規事業向け製品の技術研究の他、業種を問わない協業先との連携によるオープンイノベーションにも取り組む。