横浜で上演する乳がんを題材にした創作劇「ブレストウォーズ 恋する標準治療!」のプロジェクトが舞台資金を募るクラウドファンディングを実施している。
国立がん研究所の調査によると、日本人女性の9人に1人が乳がんになるとされる。同プロジェクト主宰で、乳がん体験をした横浜市在住の脚本・演出家の鹽野佐和子さんは、闘病体験をポップなコメディテイストの演劇にすることで、乳がんのリアルを広く発信していこうと、台本を書き、企画を立ち上げた。
自らの体験を振り返り「治療の選択肢は複雑で女性として胸を切り落とし、肌を放射線で焼くことへの抵抗感は想像以上に重かった」と話す鹽野さん。
コロナ禍で自粛期間中の昨年5月には「ブレ恋!Zoom劇」をオンラインで発表。フィナーレのシーンでは、キャスト、スタッフ、サポーターたちから笑顔があふれた。出演した乳がんサバイバーからは「プロの俳優さんと共演ができ、本当に良かった」「これまで自分の乳がん体験を生かす場がなかった。ようやくその場を見つけられた」と喜びの声があがった。
舞台公演は3月下旬に横浜市内で予定。ストーリーは告知を受けた主人公が葛藤しながら成長する姿を描く「笑いと涙と恋、歌とダンスの物語」。テレビドラマなどで活躍する主演の辻しのぶさんらプロの俳優たちと並んで、3人の乳がんサバイバーが「メディカル・ラブコメディ」仕立ての舞台に挑む。舞台を作るために必要な稽古場代や、制作費など総額900万円の予算のうち、250万円をクラウドファンディングで募る。
支援は5000円から可能。「公演チケットと乳がん検診のセット」や「プロ俳優があなたから大切な人へのメッセージを朗読して届けます」など、医療に関するものからエンターテインメントまで、10種類のリターンを用意する。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンを届けるAll-in方式で、CAMPFIREが運営する地域特化型クラウドファンディングサービス「FAAVO横浜」で実施している。15日23時29分まで。