横浜シネマリン(横浜市中区長者町6)で現在、「台湾巨匠傑作選」が開催されている。
「台湾巨匠傑作選」では台湾ニューシネマの原点から最近作まで台湾映画の魅力を特集する。2014(平成26)年から毎年全国のミニシアターで取り組まれており、第5弾となる。横浜で開催されるのは今回が初めて。同館では全22作品を上映。
今回の傑作選の目玉作品は台湾映画の「レジェンド」とされる巨匠ワン・トン監督の「バナナパラダイス」。戦後台湾史をユーモアあふれるエピソードと奇想天外な展開で描き出す傑作とされる。あらすじは、1949年に中国(華北)の青年が緑豊かな南国台湾へと流れ着き、バナナがたわわに実る「天国(パラダイス)」なはずがスパイ容疑にかけられ数奇な運命をたどる男の半生。公開から30年を経て、デジタルリマスター版での日本初公開となった。
「バナナ」にちなんで、伊勢佐木町のバナナジュース専門店「バナナライフ伊勢佐木町店」と連携するユニークな試みも。互いにポスターを貼るなど協力をしている。
あわせて台湾映画コーディネーターの江口洋子さんがセレクトしたラインナップも。人形による実写で創り上げた冒険ファンタジー「古代ロボットの秘密」や、臓器売買と鳩レースをめぐるヒューマンドラマ「盗命師」など6作品を上映した。
横浜シネマリン代表の八幡温子さんは「ずっと台湾には魅力的な映画が多いと思っていた。日本初公開の『バナナパラダイス』が上映できることが『台湾巨匠傑作選』買い付けの決め手になった」と話す。
神奈川県の新型コロナウイルス感染症対策本部は、緊急事態宣言を受けた措置として1月8日~2月7日の間、20時以降の不要不急の外出を自粛するよう要請している。横浜シネマリンでは、宣言期間中は開始時刻が20時以降になる作品については上映をせず、2月13日~19日に振り替える。