横浜駅西口に直結する地下道の壁面にパブリックアート(公共芸術)を制作するための資金を募るクラウドファンディングが現在、行われている。実施主体はクリーマ(東京都港区)と同社に賛同する有志企業による実行委員会。
全国7カ所でパブリックアートを同時展開するプロジェクト「ENLIGHT(エンライト)2021」の一環。「ENLIGHT」は照らす、啓発する、という意味の英語。新型コロナウイルスが暮らしや経済に大きな打撃を与え長期的な影響が予想される中、アートの力で未来を明るく照らすため企画された。横浜の他に、東京、北海道、富山、滋賀、広島、福岡でも制作を目指し、クラウドファンディングを行っている。
横浜での制作予定場所は、岩崎学園(神奈川区鶴屋町2)が管理する横浜駅西口直結の「ギャラリー乙女通り」の壁面。横浜駅からヨドバシカメラマルチメディア横浜(西区北幸1)の地下1階入口の横を通り周辺施設へ続く地下道で、同学園に通う学生の通学路として使われている。壁一面にアートを描く予定。
参加アーティストは昨年9月から10月にかけて募集し、120人の応募の中から18人が選ばれた。横浜のプロジェクトには日本人形の材料と羊毛フェルトを組み合わせた作品を制作するakatin(あかころ)さん、俳優として活動しながらアート制作や衣装デザイン・製作を手掛ける坂東工さん、アート制作の他に自身のブランドでジュエリーデザインも手掛ける福島徹也さんの3人が参加する。
支援は1,200円から。リターンには、制作アートを使ったトートバッグやTシャツ、キャンバスアート、各アーティストによるオーダーメード作品や出張制作を用意する。
主催のクリーマは、ハンドメードマーケットプレイスやクラフトイベントを運営し、クリエーターの活躍の場を広げる事業を展開している。今回のクラウドファンディングは、同社が運営するクリエーター応援に特化したクラウドファンディングプラットフォーム上で行う。
横浜でのプロジェクトについて、クリーマの大橋優輝さんは「パブリックアートをどこで制作するかを考えたときに、真っ先に横浜が思い浮かんだ。行政や民間共にアートの振興に力を入れている都市であり、有名なアートイベントも多数実施されている。多くの人が訪れる横浜駅直結の地下街をキャンバスに、アーティストが思い思いに描く作品で、世の中を明るく照らせれば」と話す。
大橋さんとクリーマ創業者の丸林耕太郎さんは共に横浜出身。「全国各地のまちおこしや地方創生に取り組んでいる方々と話をさせていただく中で、私も地元のために何か貢献できないかという思いが強くなってきた。今回の取り組みで、生まれ育った街に少しでも貢献できれば」と話し、「クリーマとアーティストの皆さんと、このプロジェクトに共感してくださる皆さんで一緒に形にできたら。ご協力・ご支援をお願いいたします」と呼び掛ける。
クラウドファンディングは2月7日まで。目標金額の300万円に到達した場合のみ、プロジェクトの実施が決定する。集まった資金はアート制作費やリターン提供資金、人件費などに充てる。