ニュースパーク(日本新聞博物館、横浜市中区日本大通)が、来館できない中でも自宅などで新聞について学ぶことができる小学生向け動画教材「ニュースパーク学習動画」を制作し、ウェブサイトで公開している。
新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言を受け、同館は現在、金曜・土曜のみ、予約制で開館している。展示解説、製作工房(マイ新聞づくり)、一部の体験型展示は休止。100人以上が来館することもあった子どもたちの学習利用も3月7日までの新規予約を停止している。
このため、本来であれば体験してもらえるはずの「学び」を別の形で提供したいと、団体での来館者向けに実施していた新聞製作マネジャー(元新聞記者)によるレクチャーを再構成し、展示紹介を盛り込んだ動画の制作・公開を決めた。
動画には、新聞製作マネジャーが登場し、新聞の紙面も見せながら説明する。小学校4年生の国語の「新聞をつくる」、5年生の国語の「新聞を読む」の単元で、教科書に沿って活用できる内容とし、制作に当たって横浜市内の現役の教員にもアドバイスをもらったという。
通常のレクチャーは、「新聞をつくろう」「新聞を読もう」「情報産業としての新聞」などをテーマにしているが、今回は「入門編 『新聞とは』」を制作。順次、動画を制作していく。
同館で広報を担当する日本新聞協会博物館事業部の平形さゆみさんは「新聞を手に取ったことがないという子どもも増えているので、まずは新聞とは何かということが分かる入門編にすることを心掛けた。博物館が作る学習動画なので、いかに展示を活用するかということを意識している。教育連携に力を入れている当館の展示が、教科書の内容をよりよく理解するために役立つということを知っていただけるとうれしい」と話す。
今回の動画は、全国の約220の博物館などが参加する「おうちミュージアム」の取り組みの一環でもある。緊急事態宣言が解除された後も、動画の公開は継続する予定。