京急電鉄とシーサイドラインは3月11日、東日本大震災の発生時刻である14時46分に合わせて一旦停止訓練を行なう。震災の発生の翌年から毎年同日同時刻に実施している。
象の鼻パークで犠牲者を悼む「東日本大震災かながわ追悼の夕べ」
京急電鉄では全列車を一時停止させ、異常がないことを確認した上で、速やかに動き出す。同社は「東日本大震災を踏まえ14時46分に列車一旦停止訓練を実施」の旨を駅などに掲示して、乗客の理解を求めている。
シーサイドラインでは地震発生を想定し、全列車を最寄り駅に一旦停止し、全列車の駅停止確認後、速やかに順次運転を再開する。
横浜市内では、横浜市役所と各区の区役所が、14時46分に1分間の黙とうを呼び掛けるほか、震災からの避難者や支援者らが東日本大震災の犠牲者を悼む「かながわ追悼の夕べ」が10日夕刻に象の鼻パークで開催されるなど、民間の取り組みもある。
日ごろから防災に取り組む「一般社団法人減災ラボ」(横浜市中区相生町3)の鈴木光さんは「10年の区切りに震災を思う人は多いが、今日も明日も10年後も災害はくるかもしれないので、その思いを行動にしてみて。災害にそなえることは日常の延長」と話し、減災ラボの活動では「ライフラインが止まっても作れる料理や災害リスクを学べるマップづくりのような、楽しみながら取り組んで、気がついたら『これって減災だったんだ』と感じられる体験を届けていきたい」とも。
警察庁発表によると、東日本大震災の2021年3月1日時点の被害状況は、死者が昨年発表と同じ1万5899人、行方不明者は遺体のDNA型鑑定などで3遺体の身元が特定され昨年より3人減り2526人、現在も捜索は続いている。全国の避難者数は2月8日時点で約4万1000人。