横浜市営交通は、4月1日に創設100周年を迎えた。1921(大正10)年の同日、横浜市が横浜電気鉄道株式会社を買収し、市電を所管する電気局を設置したことが市営交通の始まり。
路面電車に始まった市営交通は、1928年に市営バスを開業。1972年に市営地下鉄が開業する際に、路面電車は役目を終え、全廃された。
廃止翌年から路面電車の車両などを展示している横浜市電保存館(横浜市磯子区)では、4月1日から「花電車」に100周年を祝う装飾をする。
花電車は、路面電車の時代に、慶祝の日や博覧会、開通記念日などに、荷物運搬専用の無蓋貨車に華やかな装飾を施して運行したもの。保存館では、磯子区制90周年を記念して2017年に再現された「花電車」を展示している。
コロナ禍で、100周年式典の開催はないが、市営地下鉄では12月下旬まで記念ヘッドマーク掲出の電車が走る。横浜市庁舎2階展示スペースで市営交通・横浜の街の歴史を分かりやすくした大型デザイン年表を展示するほか、インターネットには「横浜市営交通100周年」特設サイトが開かれている。
4月1日0時になった瞬間には、横浜市交通局の「横浜市営バス・地下鉄」のSNS(フェースブック)アカウントが、100周年への感謝を投稿。「これからの100年が希望に満ちたものでありますように。毎日が明るい光で包まれますように。横浜市営交通は、これからも安全・安心と、子どもたちの夢を乗せ、昼も夜も、横浜の街とともに走り続けることをお約束します。横浜の街とともに、これまでも、これからも。」(原文ママ)と豊富を発信した。
市電保存館の企画・広報担当の馬淵史乗さんは「2023年には保存館も50周年を迎える。100周年から未来へと歴史をつないでいきたい」と話す。保存館では1日から、小学生からのメッセージ展示や100周年記念写真展もあわせて行なう。
横浜市電保存館の営業時間は9時30分~17時、入館料は大人300円、子ども(3歳~中学生)100円。
100周年記念装飾の花電車は1年間展示予定。100年前の4月1日には、市営交通の運行初日を祝す花電車が横浜の街を走行していた。