常設都市型ロープウエー「YOKOHAMA AIR CABIN(ヨコハマエアキャビン)」(横浜市中区新港2)は、運行開始に伴う関係機関合同救助訓練を4月12日に行った。
訓練は非常時にロープウエーの運行が不可能になったことを想定し、ゴンドラ(キャビン)内に閉じ込められた要救助者を救出するもの。午前中は運河の上でキャビンが止まったことを想定した海上での訓練、午後は陸上での訓練を行なった。
陸上訓練では、14時から大岡川を渡る北仲橋の下流側の車道、片側3車線のうち2車線を車両規制。横浜中消防署の第2消防隊、同指揮隊、同はしご消防隊の消防車が次々と現場に駆けつけた。
中消防署の所有するはしご車では最も長い35メートルのはしごを伸ばすことができるものを使用。脇から4本のアウトリガーを出して車体を固定すると、ゴンドラに向けはしごを伸ばした。はしご車は、モリタ社製で2006年製。
はしご車でゴンドラに直接アプローチする訓練は初めてで、ゴンドラと水平となる高さではしごを止めるのか、やや上からアプローチするのかなどを、現場で判断する訓練となった。はしご車先端のバスケットには消防団員のほか、ロープウエーの運行事業者である泉陽興業の社員も乗り込み、キャビンの外からの解錠を補助した。
30分間予定された訓練は25分間ほどで無事終了した。訓練を終えた横浜中消防署の味上篤所長は「事業者と警察などの関連機関と協力し訓練を積み重ねることが大切。災害に待ったはない。普段からそなえることが大事」と話し、ロープウエーに関しては「午前中は海上での進入訓練を、今回は事業者主体で行なったが、消防隊もいざという時の海上への進入の備えを作りたい」と決意を口にした。
「YOKOHAMA AIR CABIN」は全長約630メートル。桜木町駅側の発着所「YOKOHAMA AIR CABIN桜木町」と、運河パーク側の発着所「YOKOHAMA AIR CABIN運河パーク」の間片道630メートルを結び、最大高さは約40メートル。運行速度は秒速2.5メートルで36台のキャビンが全て同時に稼働する場合は、12秒間隔での運行となる。照明計画の監修は、世界的な照明デザイナー石井幹子さんが担当。営業時間は10時~22時。運賃は大人1,000円、小児500円。
運行開始は4月22日の予定。