U-NEXT（東京都品川区）は、同社が運営する動画配信サービス「U-NEXT」で、大型客船ダイヤモンド・プリンセス号の集団感染についてのドキュメンタリー映画「ラスト・クルーズ」を4月28日から独占配信する。

　「ラスト・クルーズ」は、2020年2月に新型コロナウイルス（COVID19）の大規模な集団感染が起きた大型客船ダイヤモンド・プリンセス号で、混乱を極めた船内に迫るHBOオリジナルのドキュメンタリー映画。

　2020年1月下旬、横浜港を出発したダイヤモンド・プリンセス号は50を超える国・地域の乗客を乗せてアジアクルーズを行っていた。2月1日に香港で下船した男性の感染が判明。乗客2,666人、乗員1,045人の合計3,711人に新型コロナウイルスの感染が急速に広がる未曾有の事態に見舞われ、国際社会の注目が集った。

　感染者の急増を背景に、乗客は詳細を知らされず室内待機を命じられる一方、従業員はウイルスの危機にさらされながらも通常業務に加え、体温の管理、消毒などの業務を続けることを余儀なくされた。乗客や乗員たちによる体験談と、内部の人たちが撮影した貴重な映像を織り交ぜて、感染発覚からパニック、そして脱出まで、最終的に712人の感染者が確認されるに至った緊迫の約30日間が記録されている。

　映像は、「マルコムX暗殺の真相」を手掛けたドキュメンタリー監督のハンナ・オルソンさんが監督。乗船していた人たちが当時知り得た情報にのみフォーカスして、2020年初期に世界中の人たちが感じたであろう未知のウイルスへの恐怖や不確実性を視聴者に伝える内容。作品は2021年3月にアメリカで公開された。今回の公開は日本初。

　同船は、1月20日に横浜港を出港して、鹿児島～香港～ベトナム～台湾を周遊し、2月1日に沖縄・那覇港に入港。同日に香港からの乗客の感染者が確認された。2月3日横浜港に入港された際に、乗員乗客の下船が許可されず、全乗員乗客の健康診断が検疫官により行われ、2月19日から順次下船が許可された。