日本相撲協会は、荒篤山(こうとくざん)が新十両に昇進することを5月26日に発表。横浜市出身力士としては、1999(平成11)年に引退した前進山関以来、22年ぶりの関取誕生となる。
荒篤山さんは1994(平成6)年3月11日生まれ。12歳まではフィリピンの母の実家で育てられた。横浜市立十日市場中学校(横浜市緑区)卒業後、2009(平成21)年春に15歳で荒汐部屋の研修生となり、同年9月に初土俵を踏んだ。
新十両に昇進の報告をしに、荒篤山さんは親方の荒汐栄吉さんと、荒汐部屋先代おかみの鈴木ゆかさんと、両親とともに、6月1日、横浜市長を訪問。12年間かけて関取になるまでの年月を振り返り、林文子市長が「諦めようとおもったことは?」と尋ねると、荒篤山さんは「ないですね」と即答。今の気持ちは「うれしい」と目を細めた。
先代おかみの鈴木さんが林市長に「荒汐部屋のすもうねこ」の写真集を手渡すと、市長が自ら撮影した猫の写真を披露するなど、猫談義で場が沸く一幕もあった。結びでは母のキャサリンさんが荒篤山さんに「がんばってね」と声を掛けた。
新十両で迎える7月4日からの名古屋場所でまとう化粧まわしは、横浜市民有志が贈る。横浜市の花「バラ」とフィリピンの国花の「サンパギータ」が並ぶデザインで、「横浜」の文字も入る。青色の地はフィリピンの海のブルーをイメージ、フィリピンと横浜のかけはしとなるように願いを込める。