東日本電信電話(NTT東日本)の神奈川事業部は、備蓄している非常災害用食料品を、4月30日から5月21日にかけて神奈川県内の「フードバンク」5団体へ寄贈した。
寄贈内容は、ひじきご飯2万250袋(2,025キロ)で、寄贈先フードバンク団体は、NPO法人神奈川フードバンク・プラス(横浜市中区上野町2)、NPO法人フードバンク横浜(神奈川区栄町16)、公益社団法人フードバンクかながわ(金沢区)、「フードバンクかわさき」を運営する非営利型一般社団法人ファースト・ステップ(川崎市)、NPO法人フードバンクひらつか(平塚市)の5団体。
公益財団法人流通経済研究所の「フードバンク実態調査報告書」(2020年3月)によると、「フードバンク」活動の2018年の食品取扱量は2,850トン(76団体合計)で全体では増加傾向にあるが、1団体当たり食品取扱量は30トン台でほぼ横ばい。
NTT東日本は、災害時に通信設備などを復旧・保守する際に必要となる食料品を常時備蓄しており、一定期間で入れ替えを実施、廃棄や社員に配布するなどしていたが「フードロス削減の観点と、フードバンクでの『提供される食品量の不足』という課題の解決に向け、入れ替えの際、非常災害用食料品を廃棄することなく、フードバンク活動を通じて福祉施設・団体等への物資提供として、有効利用していただきたいと考えた」という。
同社神奈川事業部広報担当の水谷次郎さんは「今回が初の取り組みだが、今後もできたら継続したい。受け取る方の事情もあるので、断定はできないが続けていきたい」と話す。神奈川フードバンク・プラスの担当者は「食料の寄付は常時受け付けている。賞味期限が1カ月以上のもので、今不足しているのは、アルファ米などの主食や、缶詰など。インターネットから連絡いただけるとありがたい」と支援を呼び掛ける。
フードバンクは、安全に食べられるのに包装の破損などの理由で流通に出すことができない食品や、防災備蓄品の寄付を企業などから受け、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動。寄付をする食料の、賞味期限残日数の定めは各フードバンクにより異なる。支援の必要な人はフードバンクに連絡をすると無償で支援を受けることができる。