市民参加型の政策実現サイト「横浜みらい創生プラットフォーム」が6月10日に開設された。横浜市会自民党・自民党横浜市支部連合会が、市民の声を集め政策提案に結び付けていくための実証実験として運営を始めた。
第1弾のテーマは、6月の横浜市会全会一致で可決・成立した「横浜市脱炭素社会の形成の推進に関する条例」に基づくエネルギー施策。再生可能エネルギーに関するアイデアを募集し、集ったアイデアに関するオープンな議論や投票を行なうことでブラッシュアップ。市民の声を実際の政策提案に反映していくという。
現在、オンラインでの議論は「横浜市脱炭素条例について話し合おう」「建物の省エネを進めるには?」「エネルギーの地産地消を進めるには?」「横浜市内の再エネ比率を高めるためには?」などのテーマでディスカッションが始まっている。
横浜みらい創生プラットフォームは、スペインのバルセロナ市で同市の予算や政策に対する市民の声を集約するツールとして開発されたプラットフォーム「Decidim(ディシディム)」を、電通国際情報サービス・オープンイノベーションラボが日本向けにローカライズしたプラットフォームを活用している。
ディシディムには、課題を提案する機能のほか、確定案に賛成や反対のコメントを付けたり、更新情報を確認したりする機能がある。ワークショップやシンポジウムなどのリアルイベントの情報や資料なども公開共有し、誰でもが議論に参加できるプラットフォームになっている。日本では、兵庫県加古川市や兵庫県で導入されているほか、渋谷区でも導入が検討されている。
横浜市会議員の山下正人さんは「これから、脱炭素社会に向けた具体的な施策に落とし込む作業が始まる。目標は2050年のカーボンゼロ。そのころに現役世代として活躍しているだろう今の大学生や20代の若い人たちに、ぜひ当事者として参加してもらい、その意見を具現化していければ」と話す。
第1弾の政策テーマでの議論は7月31日まで。条例に対する意見や感想、脱炭素社会に向けたアイデアなどを募集する。意見投稿や議論への参加は、アカウント登録すれば誰でも可能。ニックネームでも受け付ける。