精神科医療に関する人権擁護活動や当事者の声の発信に取り組む神奈川精神医療人権センター(KP)などが8月7日、横浜市健康福祉総合センター(横浜市中区桜木町1)でシンポジウムや演劇などを行うイベント「TALK BACK 私たちはもう黙っていない」を開く。一部を除き、オンライン配信も行う。
KPは2020年5月の設立で、同イベントは設立1周年を記念して開く。シンポジウム、演劇、パフォーマンスの3部構成で、患者、家族、医療・福祉関係者、アーティストらが現状を変えるために声を上げる。
第1部のシンポジウム(11時~12時30分)は、日本の精神医療を抜本的に変えるためには、裁判で国の政策の誤りを認めさせることが必要だとして、国家賠償請求訴訟を起こしている伊藤時男さんや支援する東谷幸政さんらが登壇。本人の意志に反した長期入院の不当性や実態、声を上げることを決意した経緯、今の思いなどを語る。
第2部は演劇「精神病院つばき荘」の公演(13時~15時)。同作は劇作家で精神科医のくるみざわしんさんが、精神科医としての体験と東日本大震災による原発事故による避難の衝撃を重ね合わせて脚本を書いた。2018(平成30)年に初演され、2020年には全国各地で上演が予定されていたがコロナ禍で公演中止になった。同作を1年10カ月ぶりに再演する。
第3部はパフォーマンス「Mad Pride Yokohama」(15時15分~16時30分)。欧米では、精神疾患当事者が思い思いのかっこうで街なかをパレードする「Mad Pride」が広がっているといい、KP関連事業「OUTBACKアクターズスクール」のメンバーらがデモンストレーションする。第2部の出演者も交えて、「表現すること、声を上げること」についても話し合う。
KP webサイト編集長の佐藤光展さんは「TALK BACKは、口ごたえするという意味。精神病院で声を上げると、病気の症状だ、被害妄想だと言われてきたが、患者たちの権利を確立するには、言うべきことを言わないといけない。精神的な治療を受けている人は400万人とも500万人ともいわれ、生涯を通してみると4~5人に1人が精神的な不調を経験する。精神疾患なんて関係ないと思っている方に見てほしい」と話す。
入場料は3,000円。感染症予防のため定員を減らして開催する。1部と3部はオンラインでも配信。オンライン参加は1,500円(定員なし)。KPのサイトなどからメールで申し込む。