神奈川県の黒岩祐治知事は10月20日、飲食店に対する営業時間や酒類の提供時間の短縮要請を10月24日で全面的に解除すると発表した。
これまでの取組みにより新型コロナウイルスの感染状況が大きく改善してステージ2の水準まで下がったことから、昨年12月から継続してきた、特措法に基づく時短要請などを解除する。
県では、緊急事態宣言の解除後、10月1日から24日を「リバウンド防止措置期間」と位置付け、酒類の提供は県の認証を受けた店などに限ったうえで、営業時間の短縮などを要請している。
20日夜に県が開催した新型コロナウイルス感染症神奈川県対策本部会議で、25日以降の要請の全面的に解除を決めた。飲食店への営業時間の短縮要請が完全に解除されるのは、2020年12月7日以来、10カ月ぶり。
県は、10月25日から11月30日までを「基本的対策徹底期間」として、M(マスク)・A(アルコール消毒)・S(遮蔽とショートタイム)・K(距離と換気、冬は加湿)の基本的な感染防止対策の継続、マスク飲食実施店の認証店では一組4人で2時間を目安とする感染防止対策の徹底を依頼。飲食店には「マスク飲食実施店」の認証申請を呼びかけた。
黒岩知事は「新型コロナウイルスが消滅したわけではない。コロナとの共存を図りながら日常生活を取り戻し、経済活動を再開していくためには、県民、事業者の皆さんが、基本的な感染防止対策に主体的に取り組み、生活の中に定着させていくことが重要」と話した。
県は今後、「かながわPay」アプリを通じた買い物に対して、ポイント還元を行う事業を開始するほか、商店街などが実施するプレミアム商品券発行事業の支援など、地域における消費を喚起する事業を進める。また、県民限定で県内旅行の割引を行う「かながわ県民割」の再開に向けて、参加する事業者の募集を開始する。