横浜ユーラシア文化館で、現在、特別展「オホーツク文化―あなたの知らない古代―」が開催されている。
東京大学大学院人文社会系研究科・同附属北海文化研究常呂実習施設と、横浜ユーラシア文化館が主催し、古代の北海道に発達した独特の文化であるオホーツク文化を取り上げている。
オホーツク文化は5~9世紀頃の北海道に広がった独特の古代文化で、サハリン南部から北海道の東北部、千島列島にかけて広がった。
アザラシなどの海獣狩猟と水産物をとることを生活の基盤としていて、竪穴住居の奥にクマの頭を積み上げた祭壇を築くなど、独特の儀礼を行っていたことが分かっている。
展示は、「オホーツクの暮らし」「オホーツク文化の変遷と広がり」「まつりといのり」「他地域との交流」「東京大学と北海文化研究本州」の5章だてで、初公開となる資料を含む最新の研究成果に基づいて、本州の古代文化とは大きく異なる、オホーツク文化の姿を描き出す。
同館学芸員の高橋健さんは「クマなど動物に関するものも多いが、2階に展示中の牙製婦人像は礼文島から外に出るのは初めてで貴重な品」と話し、「3階に入りきらず、展示品を2階にも置いている。現地の北海道からも巡回展にきてほしいといわれたほど」の規模だとも。
入場料は大人500円、開催時間は9時30分~17時。12月26日まで。