神奈川県立図書館(横浜市西区紅葉ケ丘)の新しい本館が9月1日に開館し、サービスを始める。同館は開館準備のため8月15日から全館休館している。
新しい本館は、旧本館と旧新館南西に隣接する旧高等職業技術校跡地に新設された。利用者同士が議論しながら学びを深める「学び⇔交流エリア」や読書に集中できる「静寂読書室」、これまで閉架書庫に所蔵していた資料を配架する「公開書庫」などを新たに設ける。1階~3階には自動貸し出し機を設置し、非対面・非接触での貸し出しが可能になる。
交流エリアでは、専門家を交えた議論や神奈川県の年表作成など、図書館を活用して学びを深めるプログラム「Lib活(リブかつ)」も行う予定で、現在、メンバーを募集している。
ドリンクや軽食、ロゴを使った文房具などを販売するライブラリーショップは、公募により選定された猿田彦珈琲(東京都渋谷区)が運営する。
旧本館は建築家の前川國男によって設計され、2021年8月に神奈川県指定重要文化財に指定された。今年4月から休館しており、今後改修工事を経て「前川國男館」としてオープンする予定。旧本館に隣接する旧新館は収蔵庫として改修する。
本館の新設と旧本館・旧新館の改修は、神奈川県が進める図書館再整備の一環。現在の「専門的図書館」「広域的図書館」としての機能に加え、新たに「価値を創造する図書館」「魅せる図書館」としての機能を付加する計画で、「価値創造」を新しい本館、「魅せる」を前川國男館が担う。
黒岩祐治神奈川県知事は7月6日の定例会見で「読書だけでなく、利用者同士の交流の場を提供することで、県民の皆さんの学びがより広がるよう支援していく」とコメントしている。
サービス開始は9月1日13時から。開館時間は9時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜・第2木曜休館(祝日・休日の場合は開館。第2木曜は翌金曜が振替休館となる)。