1991年から5年間、パシフィコ横浜の開館事業として開催された国際音楽フェスティバル「WOMAD横浜」の内実を語った書籍の出版記念トークが、12月26日に泰生ポーチフロント(横浜市中区相生町2)で行われる。
「WOMAD横浜──歴史から消えた日本のビッグ・フェスティバル」書影
パシフィコ横浜で開催された「日本の音楽フェスの原型」となった国際音楽フェスティバル「WOMAD(ウォーマッド)横浜」について描いた「WOMAD横浜 歴史に消えたビッグ・フェスティバル」(Pヴァイン刊)著者の指田文夫さんとゲストの音楽評論家・高橋健太郎さんがフェスの経緯や内実を解き明かすトークを行う。
tvk(テレビ神奈川)の協力を得て、1992年にテレビで放映されたライブ映像の一部を特別に上映するほか、代表的な出演者の音源も紹介。一大ブームとなった「ワールドミュージック」の魅力とその可能性について語る。
ウォーマッドは「World of Music, Arts and Dance」の略。イギリスの音楽ジャーナリストのトーマス・ブルーマンとミュージシャンのピーター・ゲイブリエルが中心となって1982年にイギリスで初開催された。ユッスー・ンドールやヌスラット・ファテ・アリ・ハーンなどの多くの音楽家を世界的スターとして輩出し、「リアル・ワールド・レコード」から数多くのCDやDVDを出版し、世界音楽の普及や教育に貢献した。日本では1989年の「横浜博覧会」跡地(現・臨港パーク)ほかで5年間、開催された。
WOMAD横浜の事務局を務め、今回のトークを企画したマルメロの斎藤朋さんは「ワールドミュージック・非西欧音楽の先駆けとなった横浜発のワールドミュージックのフェスがなくなってしまって30年たった。フェスが継続できなかった理由を考え、この先の横浜からの音楽文化の発信についても考えて行きたい」と話している。
開催時間は18時~20時。参加費は3000円(書籍・1ドリンク付)。定員30人・事前予約制。トークの様子はYouTube(ユーチューブ)でライブ配信する。