若者の生きづらさを解消するメタバースプラットフォーム「MeeTaa(ミーター)」プロジェクトのキックオフシンポジウムが3月21日、ホテルニューグランド(横浜市中区山下町)で行われた。
メタバースを活用した若者のこころの支援を推進するプロジェクトのメンバーたち
「MeeTaa」は、生きづらさや心の不調を持つ10代~20代の若者に、心理的障壁の低い相談機会やケアを提供する場として、メタバース(バーチャル空間)上に構築する拠点。利用者は自身の分身となるアバターを使用してアクセスし、悩み事を相談できる場や心の不調回復を助けるコンテンツを利用できる。
プロジェクトは、横浜市立大学医学群の宮﨑智之准教授をプロジェクトリーダーとし、神奈川大学、神奈川県立保健福祉大学、横浜国立大学などの大学、講談社、村田製作所、ベネッセコーポレーション、テンアップなどの企業や、神奈川県と横浜市が連携する研究グループで推進する。
拠点の研究・開発を行う「メタケアシティ共創プロジェクト」は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が公募する令和4年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」共創分野本格型に採択された。10年間のプロジェクトで、産官学の連携により基盤構築やコンテンツの開発と効果検証、PoC(概念実証)を進め、2029年までに「MeeTaa」のリリースを目指す。
シンポジウムでは、若者の生きづらさの事例や向き合い方、心のケアの取り組みを紹介するパネルディスカッションや、「未病」について紹介するトークセッションなどが行われた。
科学系VTuberチーム「もん☆ぱるなす」によるメタバース会場の紹介では、同プロジェクトのリーダーを務める宮﨑智之准教授もアバターの姿で登場した。
宮﨑准教授は冒頭のあいさつで「大学は研究、産業は企業という時代はもう古い。私達は大学の中で産業を作れるプラットフォームを作りたい。『夢がある』と思ってもらえるインパクトのある拠点を提供したい。一緒に何かしたいと思ってくれる大学や、企業、行政の皆さんが1人でも増えることを願っている」と話した。
発足記念メタバースイベントとして、3月22日~30日に、メタバース空間「GAIA TOWN」で、学術研究者、企業による常設展示のほか、講演やトークショーなどのイベントを実施。アバターの姿でメタバースの世界でコミュニケーションを楽しめる。参加費無料(事前登録制)。