横浜港を母港とするクルーズ船「ロイヤルウイング」が5月14日にはファイナルクルーズを開催、最終運航となった。
「ロイヤルウイング」は、旅客定員630人の大型客船で、船内で食事を提供する船としては国内では現役最古の大型客船。1960(昭和35)年に関西汽船の「くれない丸」として運航開始し、1989(平成元)年から、横浜港大さん橋を母港にしている。
最終運航は16時に乗船開始、16時30分に船長があいさつし乗船客と乾杯、出発を知らせる汽笛が鳴ると乗客が130個のヘリウム入り風船を空に放ち、クラッカーを鳴らした。
運航中は中華料理のビュッフェが提供され、船長が各テーブルを訪れ、乗客と別れを惜しむ姿も見られた。船内特設会場ではロイヤルウイングの写真や絵が飾れ、船員がマジックを見せたり写真撮影に応じたりしていた。
「58年前の同じ日にくれない丸に乗り、東京から佐賀に結婚式に向かった」と思い出を話す久保武郎さん、泰子さん夫妻は「天気がよくて幸せなクルーズだった」と笑顔を見せていた。
19時30分に着岸した後は帰港セレモニーがおこなわれ、乗船客から鳴鬼船長、杉村副船長、石井機関長、雲井料理長の4人に花束が贈られた。船長は「安全運航を心がけ、無事今日という日を迎えられた」と謝意を述べた。
19時50分頃、ロイヤルウイングが最後の汽笛を鳴らし、訪れた乗客と乗船したスタッフで記念撮影をした。最終運航の乗客数は217人。