認定NPO法人「国連WFP協会」(横浜市西区みなとみらい1)は10月20日、パレスチナ緊急支援募金を開始した。
ガザ地区とヨルダン川西岸地区で、食料や水など必要な物資を手に入れることができず、悲惨な状況に直面している人びとに国連WFPが緊急支援を開始したことを受け、日本からの寄付による支援を強く呼びかけている。
国連WFPは、紛争激化の直後から、ガザ地区の国連パレスチナ難民救済事業機関のシェルターに避難している人びとに、温かいパンや缶詰など、すぐに食べられる食料の配給を開始し、52万2千人のパレスチナ人に食料と現金を支援してきた。
ガザ地区国境に310トンの食料を配備し、人道回廊が確保され次第、支援を届けられるよう準備を整えている。今後30日間で80万5千人に、食料、水、その他の必要な物資を届けることを目標とし、対処するために、今後3カ月間で7,400万米ドル(約110億円/1米ドル149円で換算)を緊急に必要としているという。
国連WFPパレスチナ事務所のサーメル・アブドルジャーベル代表は、「インフラが損壊し、燃料が不足しているため、在庫があっても店や人びとに届かない。私たちが協力しているパン工場の数は日に日に減っている。パンを製造するのに十分な水も電気もない。避難所が過密状態にある一方で、私たちが被災者に支援を届けられる力が限られてきており、配給するパンの量を減らさざるを得なくなっている」と切迫した状況を語っている。
国連WFP協会の青木創事務局長は、「パレスチナでは紛争が激化する前から食料不安のレベルは危険なほどに高く、人口の3分の1にあたる184万人が食料不安に直面していた。紛争により、罪のない、脆弱な立場にある一般の人びとが絶望的な苦境に立たされている。このような状況下で人びとが一筋の希望を見出すためには、最低限の食料が満たされることが不可欠。1人でも多くの命を救えるよう、支援をお願いしたい」とコメントしている。
国連WFPは、飢餓をゼロにすることを使命に活動する、国連唯一の食料支援機関。災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを活動の柱に、120以上の国と地域に拠点を持っており、2020年にはノーベル平和賞を受賞している。
国連WFP協会は、国連WFPを支援する認定NPO法人で日本における国連WFPの公式支援窓口。募金活動のほか、企業・団体との連携、広報を通じて、日本における支援の輪を広げている。