金沢動物園(横浜市金沢区釜利谷東5)で4頭の「羊の毛刈り」が行われ、羊とともに1年間髪の毛を伸ばした飼育員の頭の「毛刈り」が話題になっている。
「羊の毛刈り」は5月27日に実施。羊は羊毛を利用するために作出された家畜で、季節ごとに毛が抜け替わらず、長く伸びた毛を人が刈り取る必要があり、例年、暑い夏の前に行っている。
当日はシェアラー(毛刈り職人)の仲田孝雄さんが羊4頭の毛刈りを担当。羊1頭の毛刈りにかかる時間は3~4分で、羊毛の最大量はサフォーク種の羊の「アンコ」の3.3キロ、最少はジャコブ種の「アズキ」の1.6キロだった。
羊たちは1年で数キロの毛が収穫できるが「じゃあ人間はどれくらい毛がとれるんだろう」とずっと気になっていたという飼育員の先崎優(せんざきまさる)さん。
先崎さんは動物園の公式サイトのブログに「そんなわけで、1年間、髪の毛を伸ばしました。仲田プロにお願いしたところ、私の毛も刈ってくれるとのこと!」とつづり、自らの毛を羊と共に仲田さんに「毛刈り」してもらう様子を掲載。「1年越しの謎」の結果は100グラム。羊の約30分の1で「やっぱり羊ってすごいなー」と思ったという。
インターネットなどで話題になったことについて先崎さんは「こんなに話題になるとは思わなかったので驚いている。お客さんからもよく声をかけられるようになった」と話し「羊のことをきっかけに金沢動物園へ来園いただき、さまざまなな動物に出会い、動物園での取り組みを多くの人に知っていただけたら」とも。
毛刈りした羊毛は、洗って保管し、ワークショップで羊のぬいぐるみを作ったりする際などに使用するという。