横浜で造園工事業を営む石井造園(横浜市栄区笠間4)が、震災で令和6年能登半島地震で被災した柳田神社(石川県珠洲市上戸町)で樹木伐採のボランティアを行った。
柳田神社は西暦539年に建てられ、1877(明治9)年に現在の地に移転、1月1日の能登半島地震で本殿が全壊した。
石井造園は同神社が、同社の顧問である社労士事務所「人事・労務」(中区相生町3)のメンバーの実家だったことから支援を申し出、5月27日~30日に神社再建のため、更地にするための高木伐採を手伝った。
同社SNSでは伐採の様子や「被災地を思い、直接でも間接でも復興に向けてみんなで力を出し合う必要を改めて感じました。今回からご縁いただき被災地で微力ながらお役に立てたことに、深く感謝」と発信。現地で伐採をした泉大志郎さんは「震災後の状況を現地で見て、テレビで見ていたより衝撃を受けた」と振り返る。
全壊した神社の本殿は公費による撤去が済み、6月の時点で、建物の下にあったコンクリートの基礎が剥き出しの状態。コンクリートの一部はヒビ割れている。
宮司の櫻井重伸さんは「境内が壊れ、危険なので周りの木の大きいものを切ってもらった。御神体は社務所に移している。本殿も拝殿もなくなってしまったが、まずは御神体を置くことができる場所を作りたい」と願いを口にした。
現在、神社の入り口には訪れた人が願い事を書いた風車が飾られている。全国の神社で6月30日に行われる「茅(ち)の輪くぐり」に向けて、一部崩壊して、左右がつながらない状態で立っている鳥居の前に、2メートルほどの「茅(ちがや)の輪」を作った。
櫻井さんは「茅の輪くぐりは半年に一度、半年分の罪や穢れを取り除き、後半を無事に頑張りましょう、というもの。今回は地震が起きた1月1日からの半年になる。この神社でなくても、全国の神社で行う行事。近くの神社を訪れ、すがすがしく清らかに次の半年を」と話す。
近隣の状況については「やっと解体がはじまったくらい。まだ家を処分したくても順番待ちの人は多くいる。仮設住宅の数が足りず、離れた町にすむことになったり、コミュニティの欠落が起こってしまっている」という。
石井造園の担当者は「募金呼びかけや物品を届けるなどなどもしてきたが、今後さらに復興に時間がかかるところもありそうなので、持続的な支援について考えている」と話す。
同神社は直接の支援窓口は設けておらず、櫻井さんは「お気持ちがあれば義援金などをどこかに」と言った後に「偽サイトに騙されないように」と少し笑った。