見る・遊ぶ 学ぶ・知る

横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館が再開 銭湯とトルコの展示で

  • 111

  •  

休館していた横浜都市発展記念館・横浜ユーラシア文化館(横浜市中区日本大通)が、7月20日から再開する。再開館にあわせ、パネル展「能登半島と横浜―銭湯がつなぐ人びとの交流―」と「細密画で旅するトルコ―友好と文化が照らす外交百周年」展を開催する。

ペンキ絵は能登半島地震で大部分が崩落した「見附島」 横浜の朝日湯

[広告]

 同館は全館空調機更新工事のため2023年6月から休館していた。

 横浜都市発展記念館の「能登半島と横浜―銭湯がつなぐ人びとの交流―」の第1会場では、横浜に移住した能登半島にルーツを持つ銭湯経営者たちの歴史をひもといた。横浜市内で銭湯を営み、支える人びとの中には能登半島にルーツを持つ人が多くいて、石川県の鹿島郡や羽昨郡、七尾市の神社には、石鳥居やこま犬、灯籠に「横浜」の文字が刻まれていた。横浜で成功した銭湯経営者は、郷里への恩返しとして積極的に寄付を行い、それを見た人びとがさらに横浜へ移住するという流れができていたという。

 能登半島とゆかりのある横浜市内の銭湯の一覧も初展示。石川県の中能登ゆかりの「間門湯」(中区本牧間門)生まれの写真家・澤井誠さんの写真で、26の銭湯を紹介。第2会場では昭和30年代の銭湯の様子を広瀬始親さんの写真でまとめた。

 横浜ユーラシア文化館の「細密画で旅するトルコ―友好と文化が照らす外交百周年」展は、トルコ・日本外交関係樹立100周年を記念し、細密画でトルコを旅する企画展。2020年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産保護条約に基づいて、人類の無形文化遺産リストに登録が認められた 「細密画」は、多くの文明に共通する文化要素として認められている。同展では、42人の現代細密画芸術家が作成した、トルコの都市の風景を描いた細密画をそろえた。

 横浜都市発展記念館の主任調査研究員の吉田律人さんは、横浜と能登のつながりについて、2017年に研究に着手、2019年から調査を本格化した。「銭湯は石川県出身者が多いということは聞いていたが、実際どの程度か聞き取りでしか調査できていなかった。能登の神社の寄進物や名簿で具体性のある話ができるようになった」という。自らが6月に石川県で撮影した能登半島地震で被害を受けた現地の写真も展示。銭湯経営者の「東京横浜楽心会」54人が寄進して1922(大正11)年に久氏比古神社(石川県鹿島郡)に建てられた石の鳥居が震災後撤去された例を挙げ「6・7割は地震でひびや崩壊などなんらかの被害を受けていると感じた」と話した。

 開館時間は9時30分~17時、月曜休館。観覧料は一般=200円、小学生・中学生=100円(展示により異なる場合がある)。「能登半島と横浜―銭湯がつなぐ人びとの交流―」展は9月29日まで。「細密画で旅するトルコ―友好と文化が照らす外交百周年」展は8月4日まで。

  • はてなブックマークに追加

ヨコハマ経済新聞VOTE

あなたやあなたの関わるイベント・店舗などは、これまでに何回ヨコハマ経済新聞に掲載されたことがありますか

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース