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川口ひろ子さんがドキュメンタリー映画製作 10月に横浜で初上映へ

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 アーティストインレジデンス「ヨコハマアパートメント」(横浜市西区西戸部町2)などを運営する川口ひろ子さんが、初監督作品となるドキュメンタリー映画「editor.O 世に出でし文人指にあまるさへ誇ることなし酒よりほかに」を製作し、7月28日、宮城県石巻市内で初上映した。

石巻市で初上映「editor.O 世に出でし文人指にあまるさへ誇ることなし酒よりほかに」

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 河出書房新社「文藝」元編集長で、現在は長野県に暮らす編集者・長田洋一さんの生き方を描いた映画。

 長田さんは1944(昭和19)年生まれ。17歳の時に結核を患い、闘病と放浪を重ねて34歳の時に、河出書房新社に入社。文芸誌「文藝」を担当する傍ら、俵万智「サラダ記念日」、中上健次「千年の愉楽」、立松和平「遠雷」などの編集に携わった。

 2002(平成14)年に同社を退社し、長野県安曇野市に移住してからも「哲学カフェ」を開催したり、同県塩尻市立図書館とともに「信州しおじり 本の寺子屋」の企画を担当したりと、本と人をつなぐ仕事に一貫して取り組む。

 映画は、編集者として活躍していた時代(1979~2002)、長野移住後の地方文化醸成プロジェクトを手がけるようになった時代(2003年以降)の2つの時期に分けて構成、川口さんがインタビューする映像も交えて製作した。

 川口さんはかつて本のプロモーションに関わり、1980年代に長田さんと出会った。今回、長田さんをテーマにドキュメンタリーを製作したのは、「東京の出版社を辞め地方に移住してからも、『本の寺子屋』のような仕事を継続している姿に心を打たれたから。名編集者のことを本に書くことは私の手に余るので、映像として記録しようと思い立った」という。

 川口さん自身はカメラを回したことも映像を編集したこともなかったが、チームを作り、昨年10月に撮影・取材を開始。製作費の一部はクラウドファンディングでも協力を呼びかけ、122万円の支援が寄せられた。

 地方文化の担い手を育てる場を79歳の今も生み出し続けている長田さんの「本作り」に懸けた生き方について、川口さんは「同世代はもちろん、後世にも残す価値があると確信して映画を作った。石巻を皮切りに、横浜をはじめ全国で上映していきたい」と意気込む。

 横浜での初上映会は10月18日・19日にBankART Station(西区みなとみらい5)で予定する。

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