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横浜・眞葛ミュージアムで「触れる企画展」 幻の焼き物を3Dプリント

遺作「琅かん釉蟹付花瓶」や「招福金彩猫撮香炉」など9点を手のひらサイズに3Dプリント

遺作「琅かん釉蟹付花瓶」や「招福金彩猫撮香炉」など9点を手のひらサイズに3Dプリント

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 「宮川香山 眞葛(みやがわこうざん まくず)ミュージアム」(横浜市神奈川区栄町)が現在、コレクションを3Dプリントした企画展「『でかっ、ちっちゃ』展」を開催している。

「崖ニ鷹大花瓶」の原寸大レプリカ(無着色)

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 同館は、明治時代に活躍した陶芸家・宮川香山による「眞葛焼(まくずやき)」専門の美術館。収蔵する約900点のコレクションから約100点を入れ替えて常設展示している。

 眞葛焼は、表面に立体的な装飾を施す技法「高浮き彫り(たかうきぼり)」や、釉薬の下に絵を描く技法「釉下彩(ゆうかさい)」による美しい色彩が特徴の焼き物で、海外でも人気が高い。横浜大空襲の被害により窯が閉鎖したことや、多くの作品が海外に輸出されて現存数が少ないことから、「幻の焼き物」とも呼ばれている。

 企画展では、作品を3Dプリントしたレプリカ10点を展示。うち1点「崖ニ鷹大花瓶(一対のうち片方)」は原寸大、その他の9点は約10センチの手のひら大にプリントした。レプリカは手で触って立体感を感じることができ、手のひら大のものは展示台から持ち上げて手に取ることもできる。原寸大の「崖ニ鷹大花瓶」は高浮き彫りの立体的な造形がよく見えるよう「あえて色を付けずにプリントした」という。

 開催中の来場者には、冊子「とびだす!眞葛焼」をプレゼント(なくなり次第、配布終了)。同冊子にはレプリカに対応する本物の作品の写真とQRコードを掲載しており、QRコードを読み込むとスマートフォンのカメラで撮影した空間上に原寸大の眞葛焼ARを表示できる。

 同館はウェブサイト上で作品を鑑賞できる「宮川香山VRミュージアム」も開設しており、デジタル技術を使った展示にも力を入れている。企画展を企画した同館企画デザイン室の野海道貴士さんは「これからも新しい展示の仕方を模索したい」と意気込む。

 山本博士館長は「焼き物はなかなか興味を持ってもらいにくいが、触れるレプリカの展示を通して眞葛焼に興味を持ってもらいたい。子どもからお年寄りまで、今まで焼き物に興味がなかった人にも来てもらえれば」と呼びかける。

 開館は土曜・日曜の10時~16時。入館料は、大人=800円、中学生・高校生=500円、小学生以下無料。通常の入館料のみで企画展も鑑賞できる。12月8日まで。

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