![新津保朗子さんとシルヴァン・ル・グエンさん](https://images.keizai.biz/hamakei/headline/1739596734_photo.jpg)
BankART KAIKO(横浜市中区北仲通5)で「絹が生まれる場所 - 絹と人のこれまでとこれから -」展が開催されている。
かつての輸出生糸倉庫の建物を復元した文化施設「BankART KAIKO」を会場に、絹の生産地の群馬県と、輸出の拠点だった横浜、絹織物産地の京都・西陣の3地域をつなぎ、国産絹の未来を考えるプログラムを通じて、生糸産業が日本の近代化に果たした役割を振り返るとともに、現代における絹の可能性を探る展覧会。
京都西陣に拠点を置く床下土風(新津保朗子代表)がプロデュースし、写真パネル展示やアート作品の展示、体験型のプログラムなど行う。
京都在住で、フランスの人間国宝「メートル・ダール」に認定されている扇子アーティストのシルヴァン・ル・グエンさんが、富岡産絹地を使って制作した富岡製糸場世界遺産登録10周年記念扇子や、群馬県の養蚕・製糸の現場で国産絹が生まれる空間を写真家の新津保建秀さんが撮りおろした写真のパネル展示のほか、生糸ラボによる絹素材に触れる体験型の展示「国産絹を知る・触れる」、シルクロード・ネットワーク協議会による絹の歴史を知る資料展示、日本蚕糸会による繭と糸の実物と養蚕の歴史資料の展示、座繰り(糸を手で紡ぐ作業)の実演などを行う。
床下土風は、企画展の開催にあたり、2024年10月にシルクラボを立ち上げ、国産生糸を知り、可能性を探る体験型のワークショップを5回実施してきた。会場では、シルクラボに参加した、三浦かおりさん、吉田有徳さん、吉田泉さん、川口ひろ子さん、タカムラノリコさん、小林陽子さん、「似て非works」の稲吉稔さんによるシルクをテーマにした作品や、メンバーが精練した生糸の絹綿も展示している。
14日にはオープニングパーティーが開かれ、京都在住の尺八奏者・石原三静さんと美術家・佐藤啓さんがパフォーマンスを披露した。
関連イベントとして、22日には横浜スカーフ親善大使によるスカーフアレンジメントショーと、ファッションモデルの前田一翠さんがプロデュースする群馬県産生糸の絹綿を使った子どもたちによる「KIDS RUNWAY(キッズランウェイ)」が行われる。23日には横浜スカーフの染色・ハンドプリント体験、24日にはスカーフアレンジ教室が開催される。
同展をプロデュースした床下土風の新津保朗子さんは「群馬県はその生産地、横浜は輸出港と加工地として二つの地域は深い関係にあった。絹や生糸にゆかりがある『BankART KAIKO』での展覧会が実現してうれしい。来場者の皆さんと、これからの国産絹の将来を考えていく機会になれば」と話している。
会期は2月14日から26日まで。開催時間は11時から19時まで。入場無料。