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KAAT 神奈川芸術劇場で大衆演劇「花と龍」 舞台上に観客が購入できる屋台が出現

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 「KAAT 神奈川芸術劇場」(横浜市中区山下町、以下KAAT)で現在、演劇作品「花と龍」が上演されている。

「花と龍」舞台に屋台が出現  屋台ラインアップ 霧笛楼やウチキパンも

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 「KAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2」と銘打ち、同劇場の芸術監督・長塚圭史さんが演出をつとめ、演劇ユニット「新ロイヤル大衆舎」のメンバー(長塚さん、福田転球さん、山内圭哉さん、大堀こういちさん)は物語の要となる役を演じている。

 「花と龍」は芥川賞作家の火野葦平さんが自身の両親をモデルに描いた長編小説。1952(昭和27)年から1953年(昭和28)にかけて執筆され、舞台は明治時代の終わり、北九州・若松港。玉井金五郎という男性とマンという女性が出会い、信念に沿って、たくましく、うるわしく生き抜く様子と、ゴンゾと呼ばれる荷役労働者など、ふたりを取り巻くさまざまな人たちとの人間模様をスリリングに描く。

 配役は、玉井金五郎役は福田さん、マン役は、2024年3月にKAATでひとり芝居「スプーンフェイス・スタインバーグ」を演じた安藤玉恵さん。金五郎の弟分・新之助役は「進撃の巨人」などの2.5次元作品で大役を担ってきた松田凌さんが務める。併せて、劇団唐組の看板作優として知られる稲荷卓央さんなど、個性的な実力派の俳優たちがそろう。

 舞台上には、観客が開演前に実際に買い物をすることができる特設屋台が出現、元町の商店街の店舗などが出店し、にぎわいのある市場を演出する。購入した物は上演中に客席(1階席と桟敷席)で飲食できる。桟敷席は客席前方に設置、臨場感のある観劇を楽しむことができる。

 2月19日は鑑賞サポートとリラックスパフォーマンスの要素を盛り込んだ、同劇場での初の試み「やさしい鑑賞回」を実施。発達障がいのある人など「従来の劇場空間では芸術鑑賞に不安がある人たち」も安心して鑑賞できるように配慮された公演で、照明や音響などの刺激を弱めたり、扉を常に開放して会場の出入りを自由にしたり、客席を完全に真っ暗にしないなどの配慮をする。

 KAAT広報担当者さんは「『やさしい鑑賞回』に初めて取り組むことができたのは、劇場の芸術監督が演出をつとめる作品であることも大きな要素。脚本やキャストに変更はないが、通常よりも音や光がやさしい設定での演出になる」と話し「客席で音をたてても体が動いても大丈夫なので、劇場デビューの人、静かに鑑賞することに不安のある人、強い音や光が苦手な人にも楽しんでいただける公演」と来場を呼び掛ける。「サポート不要な人も利用可能なので、お手頃な価格で劇場へ足を運ぶきっかけになれば」とも。

 料金は桟敷席・1階席=8,800円、神奈川県民割引・平日夜割=7,900円、2階席=6,000円、24歳以下=4,400円、高校生以下=1,000円、満65歳以上=8,300円、やさしい鑑賞回=3,500円。2月22日まで。

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