
横浜市は3月27日、横浜市西区・中区に広がるみなとみらい21地区における2024(令和6)年の来街者数や就業者数、事業所数についてまとめたデータを発表した。年間の来街者数は8,260万人となり、新型コロナウイルス感染拡大前の2019(令和元)年の8,340万人に迫る水準まで回復した。新施設の開業や企業活動の再活性化により、経済とにぎわいが戻りつつある。
来街者数の増加は、コロナ禍に大きく落ち込んだ2020~2021(令和2~3)年の約6,000万人台からの大幅な回復で、前年比でも約530万人の増加を記録した。鉄道やバス、自家用車など複数の交通手段による実数と推計値を組み合わせて算定されており、観光やショッピング、イベント目的での訪問者の回復傾向が鮮明となった。
就業者数も堅調に増加し、2024年12月時点で144,000人となった。前年比では約10,000人の増加で、過去最多となる。みなとみらい21地区内での企業の拠点拡充や新たな雇用の創出が背景にある。地区内の事業所数も2,010社と前年から80社増加し、2019年と比較して190社の純増となる。研究開発拠点やスタートアップ企業の進出も進み、ビジネスエリアとしての存在感が高まっている。
2024年には、大規模複合施設「横浜シンフォステージ(横浜市西区みなとみらい5)」が新高島駅周辺に開業した。延床面積約183,000平方メートルの同施設は、2棟構成で、西側のウエストタワーにはオフィスや京急EXホテル、ヤマハの発信拠点などが入居。東側のイーストタワーには研究開発やオープンイノベーションの拠点、商業施設などが入った。
横浜市整備局みなとみらい・東神奈川臨海部推進課の浦山大介課長は「着工から40周年。開発も9割を超えて完了してきて、新たなまちづくりフェーズに入った。これからもしっかりまちづくりをすすめていきたい」とコメントした。
みなとみらい21地区は、1980年代から進められてきた大規模都市再開発エリアであり、近年では観光資源の充実、国際会議や展示会の開催、音楽・演劇といった文化拠点の整備が進められてきた。2020年代に入り、新型コロナの影響で一時的に人流が減少したが、その後の回復傾向は都市としての持続可能性と魅力の再確認にもつながっている。
今後は、横浜市が推進するスマートシティ化や国際ビジネス拠点の整備といった都市政策との連動や、音楽イベントやアート企画といった観光・文化施策を通じて、就業者数や事業者数、来街者数のさらなる増加が見込まれ、都市の魅力向上と経済活性化の好循環が期待されている。