神奈川県は1月19日、県庁本庁舎地下倉庫で吉田初三郎氏によって描かれた『神奈川縣鳥瞰図』を発見したことを発表、3月10日まで県庁新庁舎1階(中区日本大通1)で原寸大の複製を公開している。鳥瞰図は、2004年8月に本庁舎地下倉庫の整理中に偶然発見されたもので、「大正の広重」と呼ばれた吉田初三郎氏(1884~1955)が48歳のときに、神奈川県観光連合会(当時)が外国人や日本人観光客誘致のために発行していたパンフレット「神奈川県」を作成するための原図として描いたとされる作品。昭和7年当時の観光名所や交通網を含む神奈川県全体が、縦98センチ、横432センチの和紙に、高所から地上を見下ろしたような技法で色鮮やかに描かれている。吉田氏が生涯に描いた鳥瞰図は約1,600点とされているが、県立歴史博物館の鑑定結果によると、県庁で発見された今回の作品は、鳥瞰絵師として円熟した時期の作品であることから、500万から600万円の価値があるという。原物は、県立歴史博物館で保管され、4月下旬から横浜都市発展記念館(中区日本大通12)で一般公開される予定。
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