横浜市中区の初音町・黄金町・日ノ出町地区(初黄・日ノ出町地区)の文化芸術振興拠点の運営団体に選定されたBankART1929は、6月30日に同施設に「BankART桜荘」をオープンする。
同事業は、横浜市文化芸術都市創造事業本部と中区役所による店舗転用のモデル事業。市(中区)が借り受ける店舗について、まちのにぎわいの創出やアーティストが活動しやすい環境づくりなどに関する事業提案を民間から募集し、店舗の運営を委託するもの。これは横浜市が進める、都心部の既存施設を文化芸術活動の拠点へと転用し、アーティストが創造、発表、滞在する「創造界隈」を形成する事業の一環。また、アーティストや地域住民らが拠点に常駐し芸術活動を行うことで、違法な小規模飲食店等が集まる同地域を常に見られる明るい街へと変化させるという狙いもある。
建物は昭和54年築の木造2階建て、床面積は約50平方メートル。改装は「みかんぐみ」の曽我部昌史氏が率いる神奈川大学建築学科と地元の工務店「成岡」が担当した。「BankART桜荘」のテーマは「建物の地域への開放」と「協働」で、昼間は建物1階(約19平方メートル)を一般に開放し、週末は地域住民や若いアーティストが展覧会やミニコンサート、カフェ、フリーマーケットなどを開催できる空間として活用する。2階和室(畳敷床面積約28平方メートル)はアーティストインレジデンス(スタジオ等の施設にアーティストが滞在し創作活動を行うこと)のための居住空間として活用する。事業の実施期間は平成21年度までの4年間の予定。なお、1階の別室には、初黄・日ノ出町地域防犯拠点「ステップワン」が3月にオープンしている。6月30日は18時~19時30分までオープニングパーティーを開催する。先着50名、参加費500円、要予約。